■トランプ政権の反DEI政治 同志社大学教授・南川文里(ふみのり)さんの寄稿■
第2次トランプ政権は成立直後、連邦政府における「多様性・公平・包摂(DEI)」の推進措置を廃止する命令を出しました。この命令は1965年以降、約60年にわたる人種平等への努力を拒否するものであり、その結果、米国社会のシステムは危機に瀕(ひん)していると指摘します。(紙面を見る 4月1日)
■新たに発見 いわさきちひろの原画 ちひろ美術館・東京の原島恵さんの寄稿■
昨年8月、1958年~62年の5年間に至光社の絵雑誌『こどもの世界』で掲載した、いわさきちひろの作品原画が見つかりました。ちひろや絵本の研究にとっても貴重な歴史的価値のある発見だといいます。(紙面を見る4月4日)
■《学問はおもしろい》 土から見える世界 福島国際研究機構・藤井一至(かずみち)さんに聞く■
「土は、人間には作ることのできない『非』再生可能資源である」という研究界の「常識」に挑んできました。土研究の面白さは、生態系や人々の暮らし、ひいては政治などとも関わってくるところにあるといいます。歴史も振り返りつつ「土という窓」から見える世界の課題にも迫ります。(紙面を見る 4月7日)
■《会いたくて》 校閲者・見坊行徳さん 辞典から消えた言葉は■
本業の傍らイベント、SNSを通じて辞書の面白さを発信し、仲間と1000冊超の辞書を収集しています。探究心の源泉や辞書の魅力、共著『三省堂国語辞典から 消えたことば辞典』について聞きました。(紙面を見る 4月14日)
■絵本『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』に寄せて 武田美穂さんの寄稿■
『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』(那須正幹・作、武田美穂・絵 ポプラ社)から
2021年に亡くなった児童文学作家・那須正幹(まさもと)さんが、広島の被爆70年に寄せて創作した合唱曲用の詞に、絵本作家の武田さんが絵を描きました。大好きなおばあちゃんと少年の約束とは―。平和への希望を優しく奏でるような絵本の魅力が伝わってきます。(紙面を見る 4月14日)
■ピアニスト・小川典子さんの音楽エッセー「玉手箱が放つ光をもとめて」■
日本とイギリスを拠点に世界で演奏活動を行う小川さんが、浜松国際ピアノコンクールの審査委員長を経験して感じた「ここだけの話」をつづるエッセーです。第2回「87通りに光る才能」ではコンクールごとに成長していく若手演奏家たちの姿を紹介します。(紙面を見る4月18日)
■治安維持法と朝鮮 ソウルの国際シンポ 小樽商科大名誉教授の荻野富士夫さんの寄稿■
公布100年の治安維持法。朝鮮では日本国内を上回る苛烈さで民族独立運動や社会運動を弾圧する武器となり、植民地統治を下支えました。ソウルで3月に行われた学術シンポジウムに報告者として参加した荻野氏によるリポートです。(紙面を見る 4月22日)
■金曜名作館 「死んだ男の残したものは」60年と武満徹 評論家・西村雄一郎さんの寄稿■
反戦歌「死んだ男の残したものは」の誕生秘話。作曲を手がけた武満徹が谷川俊太郎のレクイエムからたどりついたという。魅惑的なメロディーが生まれた時代や社会を浮かび上がらせます。(紙面を見る 4月25日)
■ドキュメンタリー映画「能登デモクラシー」五百旗頭(いおきべ)幸男監督に聞く■
自由に物を言えない〝ムラ社会〟で権力を監視するのは、一人の男性が出す手書き新聞だった―。石川県を舞台にメディアや民主主義を問う映画「能登デモクラシー」が5月に公開されます。監督は石川テレビの五百旗頭幸男さんです。(紙面を見る 4月28日)
4月の読書欄
6日付
≪本と話題≫山口富男著『〝自由な時間〟の探求と「資本論」』 「人間の自由」求めたマルクス 研究と運動の両面から解明 筆者=萩原伸次郎
≪書評≫( )内は評者
吉田敏浩著『ルポ 軍事優先社会 暮らしの中の「戦争準備」』(布施祐仁)/斎藤真理子著『増補新版 韓国文学の中心にあるもの』(佐川亜紀)/永田浩三著『原爆と俳句』(堀田季何)/竹中優子著『ダンス』(盛田志保子)
≪書架散策≫プーシキン著、金子幸彦訳『プーシキン詩集』 筆者=岸本力
13日付
≪本と話題≫大阪・関西万博 科学的知見を持たない維新
≪書評≫伊藤和子著『ビジネスと人権 人を大切にしない社会を変える』(筒井晴彦)/金山泰志著『近代日本の対中国感情 なぜ民衆は嫌悪していったか』(原田敬一)/平本淳也著『ジャニーズ帝国との闘い』(須藤春夫)
≪エンターテインメント≫カスガ著『コミケへの聖歌』 筆者=南陀楼綾繁
20日付
≪書評≫早尾貴紀著『イスラエルについて知っておきたい30のこと』(高橋真樹)/宮地正人著『自由民権創成史』上・下(大日方純夫)
≪サイエンス≫青山和夫、大城道則、角道亮介著『考古学者だけど、発掘が出来ません。多忙すぎる日常』 筆者=間宮利夫
27日付
≪本と話題≫「アンパンマン」の背景 正義とは?模索と創造 筆者=石子順
≪書評≫望月衣塑子著『軍拡国家』(前泊博盛)/小山田浩子著『ものごころ』(草野信子)/上岡伸雄著『東京大空襲を指揮した男 カーティス・ルメイ』(前田哲男)
≪翻訳小説≫アグラヤ・ヴェテラニー著 松永美穂訳『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』 筆者=マライ・メントライン