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2025年10月15日(水)

「たたかいを呼びかけた書」に一番の魅力が

ユーチューブ「フランス10」 志位議長がインタビューに答える

 インターネットメディア「フランス10」が、日本共産党の志位和夫議長の著書『Q&A いま「資本論」がおもしろい』(赤本)をテーマに志位氏へのインタビューを行い、9日にネット上に動画を公開しました。聞き手は「フランス10」を主宰する及川健二氏です。


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(写真)『赤本』についてインタビューを受ける志位和夫議長(YouTubeから)

賃上げと時短を一体に―欧州の教訓は?

 志位氏は赤本で伝えたかったことについて、「何よりも『資本論』は、労働者階級、人民にたたかいを呼び掛けた書であって、たたかって、ひどい搾取から自らの生命や健康や暮らしを守っていこうと。それだけではなくて搾取のない世の中をつくろうというたたかいを呼び掛けた書だというところに、一番の魅力があるし、生命力がある。そこを伝えたかったのです」と語りました。

 志位氏は、赤本で解説されている「労働時間の搾取」にかかわって、「給料を下げないで、働く時間を短くするにはどうしたらいいか」との及川氏の質問に対して、「労働時間短縮、賃上げなどを条件として使用者に対する公的支援を行う」ことを求めているフランス労働総同盟(CGT)の取り組みを紹介し、「賃上げと労働時間短縮を一体に推進するためのバックアップの仕組みを政治の責任でつくることが大切です」と主張しました。

パリ・コミューンと『資本論』以後の理論的発展

 フランスでジャーナリストとして活動した経験をもつ及川氏が、1871年に樹立されたパリ・コミューンの意義とパリ・コミューンを論じたマルクスの著作『フランスにおける内乱』(同年)について質問しました。

 志位氏はパリ・コミューンに関する歴史を丁寧に説明し、武装した市民が、パリを統治する段階に至り、「普通選挙権で選挙をやり、コミューン議会をつくった。その議会が、パリを統治し、いろいろな行政活動をやり、歴史上、初めての労働者階級の政権ができた。しかも、普通選挙でできた。人類史上初めての歴史的な出来事になった」と強調。その後、資本家や地主たちの勢力が大弾圧でパリ・コミューンをつぶしたが、その歴史的偉業は、今日なお生きていると語りました。

 志位氏は『フランスにおける内乱』について、マルクスがパリ・コミューンに連帯し、インタナショナルの呼び掛けの形で、労働者階級のたたかいとその意義、反動政府がどんなひどいことをやったかを明らかにしていると述べました。

 さらに、「この本には理論的にも重要な発展があります」と述べ、一つは「労働者階級が権力を握った時に、古い権力との関係をどうするかということについて、新しいテーゼがあります。労働者階級は古い権力を、できあいの形では使えない。改造が必要だということを提起しています」と指摘。

 二つ目は、同書とその草稿には「マルクスが『資本論』を発展させた大事な命題」があると述べ、「『資本論』では、資本主義から社会主義に移行する場合、移行期間はわりと短いと書かれているのです。ところが、『フランスにおける内乱』の研究・執筆を経て、資本主義から社会主義・共産主義への移行には、歴史的に長い移行期間=過渡期が必要になるということを明らかにしていくのです」と説明し、それがその後の『ゴータ綱領批判』(1875年)での「過渡期」の解明にもつながっていくと述べました。

 志位氏は「マルクスは、パリ・コミューンからいろんな教訓を引き出しました。そのなかで『資本論』の後の理論的発展もかちとっていったことは重要です」と語りました。

欧州の左翼勢力に連帯し、日本でも反動ブロックの危険と対決する民主的共同を

 最後に、及川氏がフランスの政局の混乱について尋ねたのに対し、志位氏は、この間の国際交流も踏まえて、フランスやイギリス、ドイツの政治情勢の特徴について語りました。

 志位氏は、それぞれの国で極右勢力が台頭し、旧来の保守勢力がそれを暗黙・公然の協力を行うもとで、この流れときっぱり対決する左翼・進歩勢力の役割が大きくなり、それぞれの国で躍進の流れが起こっていることを紹介。この流れに連帯して日本でも反動ブロックの危険に対決する国民的・民主的共同をつくる重要性を訴えました。


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