2025年10月13日(月)
「労組は魔法のツール」
米国労働運動と未来語る
全労連レバカレ
![]() (写真)発言するフリードマン氏(右から2人目)=12日、東京都中央区 |
東京都内で開かれている全労連の「労働運動交流集会2025(レバカレ)」は12日、「労働運動の未来は誰がつくるか」をテーマにトークセッションしました。労働者の教育や組織化を支援する米国の団体レイバーノーツのエレン・D・フリードマン理事長を迎え、対話の重要性や主体的参加、ボトムアップの運動について交流。フリードマン氏は「労働運動の未来はみなさんがつくるもの。直面する職場の課題を変えたいと思えるかどうかにかかっている」と訴え、日本の組合員と討論しました。
フリードマン氏は、長年労組がトップダウンで官僚的などの課題を抱えていたものの、リーマン・ショックを境に労働者から職場の不平等や非正規化反対の声が上がるようになったと指摘。労組が起こした職場の変化が多くの労働者に共有される中で教員のストライキが50万人規模で広がり、他産業にも運動が波及していると話しました。
労働運動の組織者は、分断や恐怖を乗り越えて行動する手助けをする必要があると話しました。
国内の労組代表が取り組みを報告。北海道勤医労の岡薫さんは、諦めや忙しさを乗り越え訪問看護労働者の要求を団体交渉で取り上げ、電話相談に1分単位で時間外手当を勝ち取ったと報告。愛知自治体一般労組の塩森真由美さんは、会計年度任用職員4人で労組を立ち上げ、「ないがしろにされていた声が労組になると誠実に対応されるようになった。労組は魔法のツールだ」と強調しました。
1人から加入できる地域労組こうとうの松井優希さんは、労働相談を通じて組織拡大を進めてきたことを報告。要求実現後に脱退する問題は中核となる人をつくることで「打開できる」と話しました。
フリードマン氏は「労働相談を個人の問題として解決するのではなく、他に同じ問題に直面している人はいないかと質問することが大切だ。そうすることで他の人も巻き込んで運動をつくることができる」と強調しました。
この日は47分科会を開催。最低賃金署名を考える分科会では「運動の入り口や組織活性化の手法と位置づけて取り組んでいる」などの意見が出されました。