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2025年10月12日(日)

「卓越大」問題点多く

大学フォーラムが研究会

 「大学の危機をのりこえ、明日を拓(ひら)くフォーラム」は9日、国際卓越研究大学に認定された東北大学の現状と、中央教育審議会答申「我が国の『知の総和』向上の未来像」(2月)についての研究会をオンラインで開催し、約60人が参加しました。

 東北大学の片山知史教授は、大規模国立大学に設置が義務付けられ、中期目標・計画などを決める運営方針会議に学外委員が半数以上配置され、議長に半導体企業のラピダスの取締役会長が就いたことを報告。ラピダス会長が、東北大学に半導体やエネルギーなどで積極的な貢献を求めることは、利益相反になる危険があると告発しました。

 25年目に論文を3・5倍にするなど高い数値目標を決め、その達成のために多額の資金で海外の研究者を兼務で招へいしているが、目標達成の見通しはなく、学術の発展にはあまり寄与しないと批判しました。大学として軍事研究禁止の行動規範を定めているのに、今年の防衛省の安全保障技術研究推進制度に東北大学から2件採択されたが、大学からは何の説明もないと述べました。

 北海道大学の光本滋教授は、中教審答申は、急速な少子化に対応して高等教育全体の「規模」の適正化として大学に再編統合を迫っていると指摘しました。答申以降、文科省は、大学の設置基準や認証評価制度などを政策手段として動員し、高等教育再編をするための政策を次々と展開しており、国家統制を強めていると批判しました。


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