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2025年10月12日(日)

朝鮮と日本 歴史知って

学生が差別反対巡回展

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(写真)パネルに見入る来場者たち=10日、東京都内

 戦後80年、日本が植民地にした朝鮮の「解放」から80年―。今も根深く残る朝鮮人差別について考えてもらおうと、在日朝鮮人と日本人の大学生がともに歴史問題を正面からとりあげた全国巡回展「Moving History Museum 日本と朝鮮、消えない歴史」が10日、東京都内でスタートしました。

 2021年に京都のウトロ地区で起きた火事を紹介し、根深い朝鮮人差別がどこからくるのかをひもときます。1910年の併合、関東大震災時の朝鮮人虐殺、強制労働の現場での差別と暴力、学校教育からの朝鮮人女性の排除などを紹介。戦後補償、賠償問題、日本の歴史教科書における加害の記述の変遷をたどり、政府による歴史否定の動きのなかで何ができるのかを問いかけます。

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(写真)大学4年生の李詩穂(リ・シス)さん

 「私自身、ずっと朝鮮アレルギーだった」という在日4世の大学4年生、李詩穂(リ・シス)さん(25)は普段は通名を使い「ほとんど朝鮮ルーツを感じることなく過ごしてきた。どちらかというと避けてきた」と言います。運動にかかわるようになった今、「日本人ファーストという枠のなかに私はいない。公的な立場にある人たちが言うこの言葉が怖いと感じる。同世代の人に朝鮮と日本の歴史を知ってほしい。今回は日本人学生が多く関わってくれた。一緒に差別のない社会、違いを認め合える社会をつくっていきたい」。

 10日、パネル制作にかかわった学生らがトーク。強制連行のパネルを作成した大学4年生の女性は、強制労働・強制連行に今もある大企業がかかわっていたことに衝撃を受けたと話しました。日本人の大学2年生は「たまたま在日朝鮮の学生と知り合い、いろいろ学ぶことができた。知らないことから偏見が生まれる。実際に目で見て、人と会ってほしい」と訴えました。

 巡回展は11日は名古屋で開催。12日は大阪市のエル・おおさかで特別講演、13日には広島市まちづくり市民交流プラザで展示と特別シンポジウムを行います。


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