2025年10月11日(土)
侵略戦争への反省なし 絶対的天皇制の責任不問
首相所感に田村委員長
日本共産党の田村智子委員長は10日の記者会見で、石破茂首相が同日発表した所感「戦後80年に寄せて」には二つの大きな問題があると指摘しました。
田村氏は一つ目に、「侵略戦争と植民地支配への反省を自らの言葉で語るべきなのに、そのことへの反省がまったく述べられていない。これは大問題だ」と指摘しました。
二つ目に、「なぜ戦争を止められなかったのかいろいろと述べているが、あの侵略戦争を引き起こした直接の責任は、天皇絶対という政治体制、専制政治であり、ここに最も大きな責任がある」と主張。治安維持法のもと、戦争反対を唱える国民を徹底的に弾圧し、日本共産党員も弾圧で命を奪われたと指摘しました。
所感は、当時の議会や報道機関にも戦争を止められなかった責任があるとしていますが、田村氏は「大もとには、天皇の絶対的な権力による専制政治があり、所感はこれを不問にしている」と批判。「これでは何の教訓も引き出すことはできないと指摘せざるをえない」と断じました。
さらに、「このことは今日の政治のもとでも問われる」として、憲法9条の解釈を内閣の判断で一夜にして変え、安保法制を強行し、専守防衛を投げ捨て、大軍拡の戦争国家づくりを進めてきたことに言及。「歴史の教訓を何ら学んでいない今日の自民党政治の姿であり、やはりここから変えていかなければならない」と述べました。