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2025年10月11日(土)

自公政治全体の大破綻

責任無自覚さらけ出す高市氏

政治部長 中祖寅一

 高市早苗新総裁を選出した自民党総裁選(4日)から1週間もたたないうちに、公明党の連立離脱による自公連立政権崩壊という事態となりました。

 高市新体制は、改憲タカ派・安倍政治の継承という極右的危険とともに、裏金事件と経済無策への厳しい国民的審判に向き合わず無反省という根本的もろさをはらむものでした。そのもろさが、早くも劇的な形で危機的事態に発展しました。根本にあるのは自民党政治の末期的行き詰まりと劣化、腐敗です。

 公明党の斉藤鉄夫代表は記者会見で、裏金疑惑の全容解明が極めて不十分なもとで「決着ずみ」として裏金議員を登用した高市氏の姿勢は「国民の感情とかけ離れている」「自民党の不祥事を国民に説明し応援することに限界がきている」と述べました。昨年10月の総選挙で同党は114万票減の596万票にとどまり、7月参院選での比例票はさらに521万票にまで減りました。支持母体の創価学会は深刻な危機感に覆われていました。

日曜版スクープ

 「赤旗」日曜版による自民党議員の裏金事件のスクープと共産党による徹底追及が政局の核心を突き、昨年の総選挙と今年7月の参院選で自公過半数割れに追い込み、ついに自公連立の瓦解(がかい)という事態に追い込みました。

 公明・斉藤代表は、自民党への「不満」をぶつけましたが、昨年の総選挙で裏金議員に同党が推薦を出したことに象徴されるように、裏金疑惑の解明にも、企業・団体献金の禁止にも背を向けてきました。国民の信頼を失ったのは公明の自業自得でもあります。

 さらに物価高対策として国民の多数が求める消費税減税に背を向け、格差と貧困の広がりに対する経済無策は自公政治に対する国民の深い失望を広げました。「福祉の党」を掲げながら、医療・介護・年金の連続削減を自民党とともに進めてきたのも公明党自身です。

 「平和の党」と言いながら集団的自衛権行使容認の安保法制を自民党とともに強行し、立憲主義破壊。違憲の敵基地攻撃能力の保有と異常な大軍拡を推進してきました。

国民と深い矛盾

 自公連立の瓦解は、自民党と公明党の間の「意見の食い違い」の結果などではなく、自公政治全体と国民の生活との深い矛盾が、自公間の鋭い亀裂として表れたものです。大企業の利益最優先と日米同盟絶対の自民党政治に追随、補完することが、公明党自身の存続を危うくした結果です。その結果、選挙でも政権運営でも公明に頼ってきた自民党政治も、さらに深刻な行き詰まりに一気に陥っています。高市氏は公明に対し「一方的な通告だ」と不満をあらわにしましたが、自民党の重大な責任への全くの無自覚をさらけ出しています。

 国民の利益と相いれない存在となっている自民党政治を終わらせ、これに代わる希望ある新しい政治に切り替える広範な国民のたたかいが今ほど必要なときはありません。

自公連立 悪政26年の歩み

1999・10 小渕内閣の下で自民、公明両党が連立

2003・7  自公がイラク派兵法を強行

  04・4  公明党・坂口力厚労相の下で物価・賃金に連動して年金を削減する「マクロ経済スライド」導入

  06・6  自公が「愛国心」教育など盛り込んだ教育基本法改悪を強行

  09・9  衆院選で自公が大敗し下野

  12・6  民主、自民、公明の3党で消費税10%への引き上げを合意

  12・12 衆院選で自公が大勝。第2次安倍自公政権が発足

  14・7  集団的自衛権の行使容認を閣議決定。自公与党協議で承認

  15・9  自公が「生涯派遣」の労働者派遣法改悪を強行

  15・9  自公が安保法制=戦争法を強行

  22・12 敵基地攻撃能力保有など明記した安保3文書を閣議決定。自公与党協議で承認

  24・10 衆院選で自公ともに議席を大幅に減らし過半数割れ

  25・7  参院選で自公ともに議席を大幅に減らし過半数割れ

  25・10 公明・斉藤代表が自民・高市総裁に連立離脱を伝達


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