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2025年10月10日(金)

きょうの潮流

 気候変動の下、人類はどうすれば生き残れるだろうか。東京・上野の国立科学博物館で開催中の特別展「氷河期展~人類が見た4万年前の世界」を見て考えさせられました▼氷河期には、寒冷な氷期と比較的温暖な間氷期があり、現代は間氷期に。特別展は「最終氷期」と呼ばれる4万年前の世界に迫ります。マンモスなどの巨大動物をさす「メガファウナ」が跋扈(ばっこ)していました▼体を巨大化することで、体温が外に逃げるのを防いでいたメガファウナ。絶滅時期のピークは、2万年前以降です。展示では温暖化によって「おそらくステップ・ツンドラ(寒冷な草原・凍土地帯)の縮小が大打撃だったことは間違いありません」と▼地球は3億年前、火山活動で二酸化炭素(CO2)が大量に放出され、温暖期に。そのCO2は鉱物や海中に取り込まれることで減少し、地球は徐々に寒冷化していったといいます。こうして260万年前に氷河期が始まり、1万年前に最終氷期が終わりました▼間氷期の今、地球は人類の経済活動によって、かつてない速さでCO2濃度が上がり温暖化が進行します。特別展では、CO2濃度が高かった400万~300万年前、海面が今より10メートル以上高かったことなどが指摘され、「人類は新たな適応を迫られることになる」と警鐘を鳴らしています▼気候危機の打開へ早急で真剣な対策とともに、新たな環境への適応が不可欠です。迫る生物多様性の危機。科学博物館の次回特別展のテーマは「大絶滅展」だとか。


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