2025年10月10日(金)
ガザ 停戦へ合意
イスラエルとハマス「第1段階」
軍の一部撤退・全人質解放
【ワシントン=洞口昇幸】トランプ米大統領は米東部時間8日夜(日本時間9日朝)にSNSで、パレスチナ自治区ガザでの戦闘を続けているイスラエルとイスラム組織ハマスが、トランプ氏の発表した計画の「第1段階」で合意したと発表しました。ハマスが拘束しているイスラエル人の人質は全員解放され、イスラエル軍がガザの一部区域から撤退するとも説明しました。
カタール外務省も「第1段階」の全ての内容で合意したと発表しました。イスラエル人の人質と、イスラエルが拘束しているパレスチナ人が解放され、支援物資がガザに搬入されるといいます。
トランプ氏は「イスラエルとハマスがわれわれの和平計画の第1段階に署名したことを、とても誇りに思いながら発表する。全ての人質がまもなく解放され、イスラエルは合意した地点まで軍を撤退させる」と語り、「これは強固で持続可能で永続的な平和への第一歩だ。全当事者は公平に扱われる」と強調しました。
同氏はまた、「今回の歴史的で前例のない出来事を実現するために協力してくれたカタールやエジプト、トルコの仲介者らに感謝する」と述べました。
イスラエル人の人質48人のうち20人が生存しているとされ、トランプ氏は米FOXニュースとのインタビューで、人質が米時間13日に解放されると述べました。
トランプ氏は9月29日に、ガザでの即時停戦や人質解放、停戦後のガザの統治について20項目に上る計画を発表し、イスラエルのネタニヤフ首相と合意。ハマス側に計画の受け入れを迫っていました。ただ、今回合意したという第1段階の詳細は明らかにされていません。
ネタニヤフ氏は同日のトランプ氏との会談の際に、ハマスが計画を受け入れても、その後に妨害を行うならばガザでの軍事攻撃を続ける意向を示しています。トランプ、ネタニヤフの両氏は、国連加盟国の多くが支持するパレスチナ国家樹立とイスラエルとの平和共存による「2国家解決」には否定的です。