2025年10月9日(木)
高市体制に懸念・危惧の声
古い自民に逆戻り タカ派で不安 分断あおる
裏金議員の復権や、総裁選で後押しした麻生太郎氏率いる麻生派議員の要職起用といった派閥政治など、古い自民党政治への回帰―。7日、新執行部を発足させた自民党の高市早苗総裁にさまざまな懸念や危惧の声が広がっています。
![]() (写真)自民党新執行部発足を報じる全国紙 |
6日のTBS系「news23」でコメンテーターの星浩氏は、「(派閥で)唯一残っている麻生派が人事面で得をする。どうみても解党的出直しとは言えない」と指摘しました。
全国紙の8日付の社説でも、「旧態依然とした派閥政治への逆戻りである。改革姿勢の欠如にあきれるほかない」(「毎日」)、「『変われない自民党』どころか、旧態依然の体質へ『逆戻りする自民党』である」(「朝日」)など批判の言葉が並びました。
海外からは、改憲・右翼的な姿勢に懸念が示されています。韓国の聯合ニュースは、高市氏の総裁選出について「女性版安倍(晋三元首相)」と表現しました。
市民からは「選択的夫婦別姓にも否定的だし、タカ派だし、不安がある」(愛知県、女性)、「安倍政治復活、憲法改正推進など、とんでもないことになってしまいそうだ」(現役世代、男性)、「裏金議員を登用しているが、臨時国会で徹底的に追及してほしい」(埼玉県、男性)といった声が日本共産党本部にも寄せられています。
高市氏が新総裁に選出された翌日(5日)の地方紙の社説でも相次いで懸念が表明されました
信濃毎日新聞は、「懸念されるのは、保守の立場から愛国心を強調するあまり、排外的な風潮を強めてしまわないかという点だ」と指摘しています。
中国新聞は「(高市氏が)外国人規制の強化も訴えたが、外国人が起こした問題なのかの根拠が曖昧な主張を展開する場面があった。社会の分断をあおりかねない。さまざまな現場で外国人が働くのは日常の風景だ。政策の方向性を誤ってはならない」と説いています。
琉球新報は、高市氏が「ワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」と発言したことに言及し、「米国でトランプ政権が多様性・公平性・包括性(DEI)重視の政策を批判することとも符合し、高市氏が考える社会像や保守主義の一端が露見したと言えるのではないか」と指摘しました。