2025年10月7日(火)
きょうの潮流
イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区での軍事攻撃が始まってから7日で2年です。住居の大半ががれきとなり、避難を指示されたテント村にも爆弾が降り注ぐ事態に。逃げ場はなく、人々はイスラエルが人為的につくった飢饉(ききん)の苦しみの中に置かれています▼この2年でイスラエルの行為がパレスチナ人を集団として破壊することを目指すジェノサイド(集団殺害)だ、との認識が広がってきました。アムネスティ・インターナショナルなど複数の国際人権団体はその事実を指摘しています▼7月には、イスラエルの人権団体として初めて「ベツェレム」が「イスラエルはガザのパレスチナ人に対してジェノサイドを犯している」との報告書を発表しました▼国連の独立調査委員会は9月、イスラエルによる行動が国際法が定義するジェノサイドに当たるとの詳細な検証を発表。ガザ以外の占領地であるヨルダン川西岸や東エルサレムでも「パレスチナ人を破壊」しようとする動きがあると警告しています▼イスラエルの行為はナチスドイツが行ったことと同じだ。著名な国際政治学者がそこまで発言するようになっています。擁護してきた欧州各国もパレスチナ国家承認に踏み出し、イスラエルと支援者の米国は孤立を深めています▼それでもイスラエルが、パレスチナ人の追放と占領地の併合を通じて領土拡大を図るという目標を放棄するきざしはありません。世界中であがる「ジェノサイドやめよ」の声。実現するのは国際社会の役割です。