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2025年10月1日(水)

きょうの潮流

 国を挙げてのお祭り騒ぎでした。一家の為(ため)は一国の為、一人の嘘(うそ)は万人の実を殺すといった標語から、川柳や都々逸(どどいつ)、調査の目的や方法を歌詞に盛り込んだ唱歌まで。まさに一大宣伝でした▼1920年のきょう初めて実施された国勢調査です。「帝国版図の人々の世帯の状態(さま)を精査して善政の基(もとい)となすにあり」とうたわれ、これで日本も一等国の仲間入りだとされました(統計局「国勢調査100年のあゆみ」)▼以前は戸籍で人口を測っていましたが、届け出の間違いなどで正確さに欠けていました。実際、最初の国勢調査での人口は5596万人。戸籍人口のほうが196万人も多かったという結果でした▼第1回の調査から105年の今年、22回目の国勢調査が始まっています。いまやインターネットで回答できるように。その一方で、プライバシーや防犯意識の高まり、単身世帯の増加といった理由で直接の回答率は下がり続けています▼このところの特徴は65歳以上の割合が上昇、15歳未満の人口は低下。「未婚」や核家族・1人暮らしの増加。日本に住む外国人の数が最多を更新していることです。少子高齢化の対策と外国人との共生。国勢調査からも日本社会の実態や課題、行く末がくっきりと▼100年余の歩みの中で人口の増加率が大幅に減った時があります。排外を掲げ、戦争に突入していった時代です。いままた、根拠もなくあおる排外勢力が台頭しています。その逆流とのたたかいは、この国の未来図に映されるはずです。


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