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2025年8月15日(金)

ベトナム共産党との理論交流会談 画期的成果

田中悠副委員長に聞く(下)

綱領の生命力と使命痛感

10回の積み重ねのうえに

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(写真)7月31日、ハノイのベトナム外務省でソン外相と会談する田中副委員長(左)

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(写真)会談に臨む田中副委員長とチャン・カム・トゥ書記局常務=7月31日、ハノイのベトナム共産党本部

 ――成果ある訪問となったようですが、どのような要因が成果に結びついたのでしょう。

 田中 今回の理論交流とベトナム訪問には、画期的な成果があったと言っていいと思います。私は理論交流の最後の閉幕あいさつで「大変科学的、理論的、政治的で、ハイレベルな意見交換ができた」との感想を伝えました。代表団は訪問中、たびたび感想を交えた打ち合わせをしてきたのですが、初期から参加してきた山口富男社会科学研究所所長や井上歩国際委員は、「ベトナム側が事前に日本共産党の理論や政策をよく把握していて、予想以上に質の高い交流になっている」と語っていました。

不断の努力が実に

 ベトナムでの理論交流に初めて参加した坂井希青年・学生委員会責任者、岩崎明日香国民運動委員会副責任者は「夕食会を含めて意見交換が続き、どんどん信頼が深まることを実感した」「日本でリポートを読むだけとは全く違う」と、現地で直接互いの認識を交換しあう妙味に触れ、感動したとのべていました。私と田川実国際委員会事務局長を含め、両党の理論交流が、10回の積み重ねのうえに、“新しいステージに入った”というのが、代表団の共通の感想です。

 一段と深みがある交流ができたのは、一つは、この間のベトナム共産党との協力関係の発展の反映だと思います。10回の理論交流に加え、2023年12月の志位議長と田村委員長の東南アジア歴訪・ベトナム訪問など、両党はハイレベルで頻繁に交流と意見交換を行ってきました。さらに、核兵器禁止条約の国連会議やアジア政党国際会議など国際フォーラムで連携をはかったり、国際情勢問題で綿密に意見交換したりしてきました。

 日本国内でもベトナムを含む外国人労働者の正当な権利を保護する国会議員の活動を行い、両国・両国民の関係発展に貢献しようと取り組んできました。両党の関係はベトナム戦争時代以来のもので60年ほどになりますが、この間の関係強化にむけた不断の努力が新たに実を結んでいると言えます。

誠実・真剣な事業

 もう一つは、今回の理論交流や会談を通じて改めてつかんだことでもあるのですが、ベトナムの指導部が、さまざまな試練に直面しながらも、社会主義の事業への誠実さ、真剣さをもっているということです。ベトナムでは昨年、グエン・フー・チョン前書記長の逝去という不幸がありましたが、トー・ラム書記長率いる新しい指導部のもと、理論活動で広く知見を結集し、国際政治における責任を果たしながらドイモイ(刷新)の事業を進めている。それが、今回の訪問で私たちが直接つかんだベトナムの姿でした。

 開催地となったハノイ近郊のフンイエン省は、持続可能かつ迅速な経済成長を目指して目覚ましい発展の時期にありながら、特産フルーツのリュウガン(竜眼)の畑や水田も広がる、古き良きアジアの農村らしさが残る土地でした。リュウガン農園の視察などで発展途上国の地方の人々の生活が垣間見えたことは貴重な機会でした。グエン・ヒュー・ギア党書記には理論交流にフルに参加いただきました。

社会変革担う党へ

 ――今回の理論交流を今後どう生かしていきますか。

 田中 私は、ベトナムとの交流を通じて、党綱領と科学的社会主義の生命力に改めて気づかされ、日本の変革の事業を担う日本共産党の使命の大きさを痛感しています。

 80回目の終戦の日を迎えますが、反戦を訴える人を「非国民」と迫害し、アジア太平洋侵略の戦争にむかった歴史を絶対に繰り返させるわけにはいきません。いま日本がやるべきは、アメリカの要求のままに、GDP(国内総生産)比3・5%の大軍拡をすすめることではなく、ASEANに学んだ平和構築の外交努力です。そのために20世紀から21世紀への世界史の本流にたって奮闘しているのが、日本共産党です。

 格差拡大や気候危機を前にして、“資本主義をこのまま続けていいのか”という問いかけが起こり、アメリカで『資本論』の読書会が広がっています。日本で、資本主義の矛盾を根本から解明し、未来社会を語ることができる政党は、日本共産党のほかにありません。

 政治の舞台では、さまざまなジグザグが起こります。ときに大きな試練にもあたります。しかし、根底には“アメリカ従属”、“財界中心”の「二つの異常」を特質とする自民党政治のゆきづまりと、世界資本主義の深刻な矛盾があり、わが党には、日本のすすむべき進路を照らす党綱領と、社会発展の法則を明らかにした科学的社会主義がある。そのことに確信をもって、社会変革の事業を担う強く大きな党をつくりたいと、決意を新たにしています。


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