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2025年7月4日(金)

党首第一声 物価高・大軍拡 対比は鮮明

 参院選が3日公示され、各党党首が各地で第一声をあげました。物価高騰に無為無策、アメリカいいなりの大軍拡にも付き従う自民党政治の行き詰まりは深刻。ところが、石破茂首相は国民の願いに向き合うどころか、第一声から言い訳やごまかしばかり。それに対し、日本共産党の田村智子委員長は「対決、対案、共同の力で新しい政治を切り開く」と訴えました。暮らしでも平和でも、その対比は鮮明です。

自民・公明 過半数割れに危機感

共産・立民 17選挙区候補一本化

写真

(写真)弁士の訴えに拍手をする人たち=3日、東京・池袋駅西口

 衆院で過半数に満たない自民、公明両党は危機感をむき出しにしています。神戸市での石破首相の第一声では、参加した自民党県議らが「今回の選挙は厳しいどころではない」「『もし』ということがあったら、自民党全体の負けになる」と檄(げき)を飛ばしました。石破首相は第一声のあと、公明党候補の応援に駆けつけ、「なくてはならない議席だ」と訴えるなど自公過半数割れを防ごうと必死です。

 一方、日本共産党の田村委員長は「衆院に続いて参院でも自民、公明を少数に追い込み、自民党政治を終わらせて、新しい政治への希望を開く」と第一声。

 日本共産党は立憲民主党などと17の1人区で候補者を一本化しています。

 田村氏は「日本共産党の躍進と、市民と野党の共闘―この二つの力で衆院に続いて参院でも自公を少数に追い込む」と気迫の訴え。立民の野田佳彦代表も宮崎での第一声で「1人区でどれだけわれわれの議席をとるかで勝負は決まる」と力を込めました。

物価対策・消費税減税

田村氏 大企業・富裕層に応分負担を

自・公 言い訳、ごまかしに必死

 「給付金は決してバラマキでもなんでもない」―。参院選の最大の争点である物価対策をめぐっても石破首相は弁明に必死です。

 自民党は国民1人当たり2万円の支給を「物価対策の目玉」としていますが、「焼け石に水」「血税を使った選挙買収」との批判が絶えません。

 石破首相は、評判の悪い「現金給付」を第一声で前面に打ち出せず、「物価上昇を上回る賃金上昇を実現したい」と、最初に賃上げ策を主張。ただ、具体策について何も語れず、「会社の売り上げからもっと働く人に対する分配を増やしていきたい」と願望を述べるだけです。一方で「消費税は医療、子育て、介護のための貴重な財源。その財源を傷つけるようなことがあってはならない」と、社会保障を“人質”に消費税減税はかたくなに拒否する異様な姿勢です。

 一度は消費税減税を掲げながら、自民党に合わせて方針を撤回した公明党の斉藤鉄夫代表も「減税には時間がかかる。その間、税収の上振れ分をつかって(現金給付で)還元する」と言い訳が目立ちます。

 石破首相は、米国の国際法を無視したイラン攻撃についても、まったく批判することなく、米国擁護の姿勢をにじませました。

 これに対し、日本共産党の田村氏は▽消費税の廃止を目指し、緊急に5%へ減税、財源はもうかっている大企業と富裕層に応分の負担を求める▽政治の責任で物価高騰を上回る賃上げを行う▽国費の投入で医療と介護の危機を食い止める―を主張。「トランプ政権のもとで、アメリカいいなりでいいのか。これを選挙の大争点にしていこう」と呼び掛けました。

社会保険料引き下げ

維新 医療費4兆円削減とセット

国民 世代間の対立と分断を助長

 日本維新の会の吉村洋文代表は「社会保険料を下げる改革」を訴えました。

 維新のいう「社会保険料の引き下げ」は医療費の大幅削減とセット。「医療費4兆円削減」を掲げ、「病床11万床削減」「OTC類似薬(市販薬と同等の成分の処方薬)の保険外し」を自民、公明とともに進めています。ただ、第一声では、医療費削減には触れませんでした。国民民主党の玉木雄一郎代表は「圧倒的に現役世代を支えていく」と、世代間の分断を強調しました。

 維新や国民民主は先の通常国会でも、さまざまな場面で自公政権の悪政に協力、加担、加速する補完勢力としての役割を果たしてきました。悪政の大本に切り込まず、世代間の分断をあおるばかりの補完勢力が議席を増やしても自民党政治は変わりません。

排外主義を競い合う参政・保守…

断固たたかう共産党

 第一声では、参政党や保守党などが、排外主義的な主張を競い合う危険な状況が見られました。

 参政党の神谷宗幣代表は「日本人ファースト」を訴え、「外国の方を(日本に)入れていったら、結局、日本人の賃金は上がらない」「そういった方(職に就けなかった外国人)が、集団をつくって、万引きとかをやって、大きな犯罪が生まれている」など露骨な排外主義的な主張をしました。

 神谷氏は、女性の社会進出を男女共同参画で「働け働けとやり過ぎた」「子どもを産めるのは若い女性しかいない」などとし、「選択的夫婦別姓とかLGBTとか、そういうイデオロギーのからんだ共産党や立憲民主党の政策にもノーだ」などと主張。人権軽視の姿勢を示しました。

 神谷氏の第一声では、戦前日本で侵略戦争の正当化のスローガンとして使われた「八紘一宇(はっこういちう)」という文字をプリントしたシャツを着た男性が、熱心に応援していました。

 東京・JR新橋駅前で第一声を行った保守党の百田尚樹代表は「日本人は世界で最高の民族だ」などと極右的な発言をしました。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「人手不足だといって、外国人労働者に頼る。順番が逆だ」などと述べました。

 日本共産党の田村智子委員長は、排外主義に反対する立場を明言し、「多様性を尊重しようという市民のみなさんと、この潮流(排外主義)の台頭を許さないために力を合わせていく」と強調しました。


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