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2025年7月2日(水)

民放2番組で党首討論

田村委員長の発言

 6月30日夜放送のテレビ朝日系「報道ステーション」と、7月1日の日本テレビ系「news every.」党首討論の詳報は次の通りです。


報道ステーション

米国のイラン攻撃

国際法、国連憲章の立場に立ち国際機関による核査察や協議で解決する立場を貫くべきだ

 トランプ米政権のイラン核施設への先制攻撃をめぐり、司会の大越健介キャスターが「複数の専門家から、国際法に違反するのではないかとの指摘も出ている」として、各党の見解を問いました。

 石破茂首相は「(米国は)地域の平和と安定のために努力している」「民間人を殺りくしないか、核施設の機能を停止させることに配慮している」「イランが国際社会のいろんな批判にもかかわらず、核濃縮を続けてきたことを認識すべきだ」などと述べ、イランへの先制攻撃を全面擁護。日本維新の会の吉村洋文代表、参政党の神谷宗幣代表も、トランプ政権の対応を「評価する」と明言しました。

 これに対して日本共産党の田村智子委員長は、こう主張しました。

 田村 やはり日本政府は国際法、国連憲章の立場にしっかり立つべきだと思いますね。イスラエルがイランを攻撃した時、岩屋毅外相は「イランの核問題の平和的解決に向けた外交努力が継続している中、軍事的手段が用いられたことは到底許容できず、極めて遺憾であり、今回の行動を強く非難します」と談話を出しました。同じようにアメリカがイランを一方的に攻撃したのに、石破首相は「核兵器保有を阻止するという決意を示した」と言ってトランプ大統領を擁護した。全く矛盾しています。しっかりと国連憲章の立場に立って、こうした攻撃は許されない、国際機関による核査察や協議で問題を解決していくという立場を貫くべきだと考えます。

選択的夫婦別姓

アイデンティティーに関わる問題、ジェンダー平等を進めるため真剣に考える必要ある

 通常国会では選択的夫婦別姓を可能にする法案が28年ぶりに審議され、重要焦点に浮上しました。石破氏は選択的夫婦別姓について賛否を示さず、日本共産党や立憲民主、国民民主、れいわ新選組の各党は「賛成」を表明。維新は「旧姓使用の法制化」を掲げるなか、参政の神谷氏は「明確に反対です」と述べました。

 神谷氏は「維新の一部旧姓の使用拡大案であれば乗れる部分はある」とした上で、「(別姓にした)人たちのルーツや家族関係が分かりにくくなってきて、お年寄りが認知症になると家族関係の証明が難しくなる」「戸籍を明確化しないといけない中に夫婦別姓を入れてしまうと、より複雑な家族関係になるので、日本の治安を悪くする」と、根拠のない暴論を主張しました。

 これに対して田村氏は、憤りをもって指摘しました。

 田村 ジェンダー平等を進めるためには、女性の生き方を真剣に考えていただきたい。自分の名前を旧姓にしたくない女性たちがいます。まさにアイデンティティーに関わる問題ですから。

物価高騰対策

大企業・富裕層に利益に応じた負担を求めて消費税の一律5%の減税を実現しその先に廃止を

 物価高騰対策では、消費減税・廃止の是非をめぐって各党の立ち位置が鮮明になりました。

 石破氏は「消費税は社会保障の財源ですよ。医療・年金・介護・少子化対策・子育て。そういう社会保障4経費を傷つけることがあってはならない。安定的財源なしに消費税を減らすということになった時に、社会保障はどうなるのか」として、「消費税=社会保障」財源論を全面的に掲げ、消費税減税を全面否定。公明党の斉藤鉄夫代表も「物価高対策に消費税を使うというのは、社会保障と税の一体改革の考え方にもとる」と述べました。

 立憲民主党の野田佳彦代表は「最大2年間、食料品は消費税ゼロ」を主張。維新の吉村氏も「2年間の食料費の消費税ゼロ」に言及する一方、「本質的には社会保険料の引き下げ」だと訴えました。社会保障の切り捨てにつながる考えです。

 田村氏は自公政権の無為無策を批判した上で「消費税の廃止めざし、一律5%減税」を主張し、その財源も明確に示しました。

 田村 国民の多数が消費税の減税を求めているわけですから、私たちはあらゆる商品やサービス、その消費に関わるものすべて減税になるように、消費税の一律5%への減税を求めます。その先に廃止を目指していきます。平均的な世帯で年12万円の減税になりますから、非常に効果的な物価高騰対策になると思います。その財源ですが、大企業は、この11年間で利益を2・6倍に増やしながら、納めている法人税は1・6倍の伸びにとどまっているわけです。利益に対する税の負担割合を見ても中小企業が18%、中堅企業が20%、大企業は10%を切るぐらいになっているんですよ。もうかっている大企業や富裕層に、まさに利益に応じた応分の負担を求めて、消費税は5%に緊急に減税する。この選挙でなんとしても実現していきたいと思います。


news every.

社会保障

給付を削れば、医療も介護も基盤崩壊する。やるべきことは国の予算をいかに増やすか

 「news every.」では、2024年の社会保険料が80兆円で、40年には107兆円、およそ1・3倍に膨らむとの厚生労働省の試算が示され、社会保障改革について議論になりました。

 石破首相は「社会保障4経費(医療・介護・年金・少子化対策、子育て)のどの部分をやるのかということだ。医療はどれだけか、介護はどれだけかということを、きちんと国民にデータを提示して議論しないと本当に崩壊してしまう」と述べました。

 立民の野田代表は、石破首相が提唱した社会保障に関する超党派の会議体設置について、「わが党としても参加をすべきだ。しっかり協議をしながら進めるべきことは進めていかなければいけない」と述べました。

 維新の吉村代表は、同党の掲げる社会保険料を下げる改革を「どう実現させるのか」と司会者から問われ、「歳出改革が必要だ」とし、「薬局で買えるような薬まで保険給付の対象になっている。そういったことはなくしていく」と述べ、OTC類似薬の保険外しを主張。「賛否あるが、絶対必要なことだ」などと社会保障削減を強調しました。

 これに対し田村氏は、次のように反論しました。

 田村 給付を削れば、医療も介護も基盤崩壊を起こします。現役世代を含めて大打撃を受ける。やるべきことは国の予算をいかに増やすかです。それから、高額所得者の保険料というのは頭打ちで、収入にふさわしい保険料負担になっていません。こういうところの改革をやらないで給付を削るというのは実に危険な議論だということを言っておきたいと思います。

 一方、国民民主の玉木雄一郎代表は、後期高齢者医療制度の患者窓口負担増を主張。「原則1割を2割にして、現役並みの所得、資産がある方は3割負担してください。こういうことをやらないと若い人の負担は減りません」などと述べ、社会保障切り捨てと世代間の分断をあおりました。


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