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2025年7月2日(水)

米空軍 最大規模の演習計画

参院選最中 国内で実施

9日から10基地で 日本の戦場化想定

 航空自衛隊は6月30日、米空軍主催の多国間共同演習「レゾリュート・フォース・パシフィック」に初めて参加すると発表しました。参院選公示後の7月9日から8月4日まで国内10基地を中心に、全国の自衛隊、米軍基地から戦闘機が発進して訓練を行います。空自から約3100人、50機が参加。米本土から飛来するF35Aステルス戦闘機など数十機が参加します。

 米空軍は西太平洋の広範な地域で実施を想定しており、同盟国を含め300機以上の参加を目標にしています。実現すれば米空軍史上、最大規模となります。

 同訓練は「ACE(迅速な戦闘展開)」と呼ばれる運用構想に基づき、中国との戦闘を念頭に、ミサイル攻撃で滑走路が破壊されても自衛隊基地や民間空港に部隊を分散させ、移動しながら機動的に運用する能力を高めることが最大の目的です。日本国内の戦場化を許すのか、参院選で問われることになります。

 空自の千歳(北海道)、三沢(青森)、松島(宮城)、百里(茨城)、小松(石川)、春日(福岡)の6基地と、米軍の三沢、岩国(山口)、横田(東京)、厚木(神奈川)の4基地を使用。これ以外の空自・在日米軍基地からも戦闘機などが発進し、日本周辺の空域で戦闘訓練を行いますが、具体的な基地は「答えていない」(空自担当者)と明らかにしませんでした。

 米軍機が全国の自衛隊基地に展開します。▽三沢基地から、松島にF35A8機、百里にF16戦闘機6機▽岩国基地から、松島にF35Bステルス戦闘機4機、小松にF16(8機)とF35A4機▽厚木基地から、百里にKC135空中給油機2機―を展開します。

 千歳、三沢、小松の各空自基地では、基地が攻撃されることを想定し、滑走路被害復旧訓練を実施。三沢では負傷者を想定し、日米輸送機で患者を輸送する訓練を行う計画です。

 近年、陸上自衛隊と米海兵隊による「アイアン・フィスト」や「レゾリュート・ドラゴン」、米主催多国間演習「バリアント・シールド」など、中国を想定した大規模訓練・演習が国内外で相次いで実施されており、その内容も実戦に近いものになっています。

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