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2025年6月30日(月)

きょうの潮流

 あれが戦争を終結させた―。広島、長崎への原爆投下になぞらえイランの核施設への空爆を正当化したトランプ米大統領。「原爆の被害を何も知らないのではないか」と強い怒りが広がっています▼中国新聞社や「朝日」「毎日」など五つの報道機関と広島市による「被爆80年企画展 ヒロシマ1945」が東京都写真美術館で開催中です。その年だけで推定14万人も犠牲になった広島。被爆しながらも、壊滅した街と苦しむ市民の姿に衝撃を受けながら、カメラを手に原子野を歩いた記者や写真家らが▼爆心地から約2・8キロの自宅で被爆した中国新聞社の写真部員・松重美人(よしと)氏。火勢に阻まれ中心部に入れず、引き返して撮影した「御幸橋西詰めの惨状」と題する2枚の写真▼「髪も皮膚も焼けただれ背中、肩、腕に水袋をつけたように火傷(やけど)がふくれあがった、この世の人間とは思えぬ何十人もうめき泣いたりしている。〈死の苦しみにあるその姿を写真に撮るが許してください〉と謝罪しながらシャッターを切った」▼原爆使用の非人道性が国際的に知られることを恐れて新聞・放送に情報統制(プレスコード)した米占領軍。しかし、「原爆写真は自宅の縁の下に隠しておいた」(宮武甫〈はじめ〉氏)など、撮影者の強い意志で守られてきました▼上司と協力し「ネガはカメラマンの命」と提出を拒んだ林重男氏は、こう語っています。「真の平和が地球上に現出するまで、写真記録の保存に留意し核兵器の恐ろしさ、残忍さを訴え続けねばならない」


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