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2025年6月21日(土)

きょうの潮流

 「必要最低限の人員で運営できるため、効率的な運営が実現します」。これは一体、何を勧めるフレーズでしょうか?▼正解は「放課後デイサービス」のフランチャイズオーナー募集広告です。障害がある子どもの放課後活動に、異業種の企業が続々と参入。「年商1億」「集客しやすい」「客単価が高い」…。豊かな育ちを支えるという本来の姿からかけ離れた“ビジネスモデル”に、強烈な違和感を覚えました▼放課後活動を保障する運動を進める全国放課後連が今年、20周年を迎えました。子どもの願いを大切に受け止めて、豊かな可能性と育ちに寄り添いたいと、各地で実践が積み重ねられてきました▼放課後デイは足りません。「成長分野だ」と企業がなだれ込み、事業所が多様化する中で、原点に返る書籍も出版しました。「制度に振り回されず、主体的に仕事しようという願いを込めた」と話すのは全国放課後連会長で指導員の村岡真治さん。願いを読み解き、豊かな育ちを保障したいと子どもと向き合います▼周りの人をたたき、無理にやめさせようとするとエスカレートする子。結構痛くて「今日もたたかれるかなと…」と憂うつな気持ちになる。でも、こうした「問題行動」を起こさざるを得ない事情があるはずだと。専門性に裏打ちされた実践が、現場にあふれています▼放課後活動は、遊び・生活・集団を通じて子どもの人格を育むものでありたい。原点に立ち返り、目の前の子どもとともに幸せな日々を過ごせますように。


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