2025年6月20日(金)
証言広げ核兵器ない世界へ
日本被団協が運動方針
![]() (写真)事務局長の就任あいさつをする濱住氏(左から2人目)=19日、東京都内 |
東京都内で開かれていた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の第70回定期総会は19日、被爆証言で核兵器の非人道性を広げ、核兵器禁止条約の意味と役割を内外に知らせ、戦争も核兵器もない世界を目指すなどの2025年度の運動方針を決め、総会決議と特別決議を採択し、閉会しました。事務局長に濱住治郎氏(広島で胎内被爆)を選出しました。
濱住氏は、前任者の木戸季市(すえいち)氏(顧問)の背中を見てきたと述べ、「証言できる人を一人でも増やすこと、核廃絶と国家補償、組織運営の課題をみんなで取り組んでいきたい」と決意を語りました。
運動方針は、核保有国は「核抑止」論を死守し、日本政府も現実的対応として軍備増強に突き進んでいると批判。武器ではなく、対話で市民社会とともに戦争も核兵器もない世界を目指すとしています。
原爆被害への国家補償と核兵器の廃絶を実現すること、憲法をいかし、国民の命と暮らしを守る運動を進めるとしました。組織のあり方については、今年度は議論を深め次年度の総会で一定の結論を見いだすとしています。
当面の行動として、ノルウェー・オスロからの要請で、7月27日に上智大学で核軍縮に関する企画が予定され、ノーベル委員会のフリードネス委員長が来日し、田中熙巳(てるみ)代表委員と児玉三智子事務局次長が出席すると発表。10月11日に各団体と共同で被爆80年のつどいを開催するとしました。
総会で選出された役員は次の通り(敬称略、新以外は再任)。▽顧問=木戸季市(新、85)▽代表委員=田中熙巳(93)、田中重光(84)、箕牧智之(としゆき)(83)▽事務局長=濱住治郎(新、79)▽事務局次長=児玉三智子(87)、和田征子(まさこ)(81)、濵中紀子(としこ)(81)