2025年6月19日(木)
「子ども運賃」18歳までに
都議選 共産党が延長求める
通学定期無料化 学生パス創設も
交通機関の子ども料金は、多くが「6歳までは無料。12歳までは半額」です。中学生から大人料金になる理由は、83年前につくられた、時代遅れの鉄道運輸規程です。日本共産党は都議選で「通学定期の無償化」「学生パス創設」「電車やバスの子ども料金の18歳まで延長を国に強力に働きかける」ことを求めています。(畑野孝明)
「6カ月定期が高くて買えない」「交通費を考えて進路選択を変更」「旅行や帰省、動物園、映画、博物館に行くのもためらう」―。共産党東京都委員会が、都議団、吉良よし子参院議員事務所と協力して、今春取り組んだ「子ども・学生 公共交通運賃実態調査」では、交通費負担が「重い」が81%、「交通費負担を考えてあきらめたことがある、あきらめかけたことがある」が62%を占め、切実な声が寄せられました。「高校まで子ども料金」には賛成が97%、「大学生の学割率引き上げ」には92%が賛成でした。
進路選択に影
子ども・学生の交通費の重い負担は、進路や部活動の選択にも影響。学校外での体験機会に差が生まれる「体験格差」も生み、子どもが自分の可能性や未来をあきらめることにつながっています。
自由記述欄には「高校生の子どもは、公共交通だと2路線を使う必要があり、雨の日もレインコートを着て自転車通学。友達と遊びに行くのも本人が片道200円以下と決めているようで、入学から5回くらいしか行っていない。校外学習も『交通費がかかるから行かない』と欠席してしまった」「中学生の子は、クラブチーム遠征に月1万円以上かかる。この先塾に通うようになれば、クラブは休会かと不安」という声も。
外国も国内も
児童福祉法では「児童とは、満18歳に満たない者」(第4条)と規定しています。「子どもの権利条約」も18歳までが対象です。
カナダ・トロントは、12歳まで無料。19歳まで割引運賃です。ドイツ・ベルリンは5歳まで無料。14歳まで割引運賃。イギリス・ロンドンは、10歳まで無料。15歳までバス・路面電車は無料(地下鉄は半額)、17歳までは半額。導入時に市長は「ロンドンの未来に不可欠な投資」とコメントしています。
国内私鉄では、小田急は22年3月から小児運賃が一律50円(ICカード使用時)。京王も23年10月から一律75円に。神戸市は24年9月から、市内の学校に通う高校生の通学定期を無料にしています。
共産躍進カギ
日本共産党都議団は、里吉ゆみ都議が24年2月に、子ども料金の年齢拡大、負担軽減を要求。池川友一都議は24年3月に、都営地下鉄乗車収入の0・4%で無料に、0・2%で50円にできるとして、値下げを要求。諸外国の例を示して適用年齢を18歳まで引き上げることを求めました。
吉良よし子参院議員は、24年5月の参院国土交通委員会で、交通費が公立高校学校教育費の最多であることを示し、公共交通子ども料金の負担軽減、規定の見直しを要求。斉藤鉄夫国交相(当時)は「通学費の負担軽減は必要な取り組み」「鉄道運輸規程は最低基準でその上乗せは鉄道会社の判断で可能」と答弁しました。共産党の躍進が、子ども・学生の交通費軽減実現の大きな力になります。