2025年6月19日(木)
OTC類似薬 保険外しノー
難病患者家族 署名8.5万人超提出
![]() (写真)「治療で使用している薬を保険適用から外さないで」と厚労省担当者に求める大藤さん(中央)=18日、参院議員会館 |
石破茂政権が13日に閣議決定した「骨太の方針」に、処方薬の中で市販薬に効能が似たOTC類似薬の保険給付見直しが盛り込まれた問題で、難病患者の家族は18日、参院議員会館で、保険適用の継続を求めるオンライン署名8・5万人超分を厚生労働省に提出しました。日本共産党の田村貴昭衆院議員、全国保険医団体連合会の本並省吾、上所聡子両事務局次長が参加しました。
提出したのは団体職員の大藤(だいとう)朋子さん。長男の龍之助さんが、生まれつき全身の皮膚が乾燥してうろこのように硬くなる魚鱗癬(ぎょりんせん)の患者です。肌を保湿するヘパリン類似薬(ヒルドイド)やアレルギーを抑えるフェキソフェナジンを医師に処方され、使っています。
自民党、公明党、日本維新の会は、国民医療費の「最低4兆円削減」を念頭にOTC類似薬を保険適用から外そうとしています。その動きに危機感を抱き、2人で3月25日にオンライン署名を呼びかけ。骨太の方針の決定直前に賛同者が急増しています。
大藤さんは厚労省要請で「2カ月に3回通院し、1回の診察料と薬代は保険適用で2000~3000円。保険から外れれば薬代だけで6万円以上かかる。病気を抱えながら必死に生活している人のことをもっと想像してほしい」と訴え。上所氏は「高額療養費見直しに続き、命に関わる医療制度改悪をするのか」と迫りました。厚労省側は「何をやるか今後検討する」と述べるにとどまりました。