2025年6月19日(木)
28年ぶり選択的別姓法案審議
本村伸子衆院議員に聞く
当事者の切実な声反映
選択的夫婦別姓制度を導入する法案が28年ぶりに国会で審議されています。日本共産党の本村伸子衆院議員にこれまでの法案審議の特徴を聞きました。
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衆院法務委員会では、選択的夫婦別姓制度を導入する立憲民主党と国民民主党の2法案と、通称使用を法制化する日本維新の会の法案が審議されています。私は、選択的夫婦別姓を求める当事者の声を審議に反映するため、参考人質疑や公聴会を求めてきました。実際に困っている当事者の意見をぬきに充実した審議はできないからです。
10、17両日の2回の参考人質疑で、選択的夫婦別姓を求める運動の代表や訴訟の弁護団長、研究者、事実婚当事者、経団連の担当者などさまざまな立場から、なぜ選択的夫婦別姓が必要かが語られました。
喪失感与えている
一般社団法人「あすには」の井田奈穂代表理事は「生まれ持った氏名で結婚し生きたいという願いを否定し、喪失感を与えているのが現行法だ」と訴えました。事実婚当事者の割田伊織さんは「すぐに選択的夫婦別姓を実現してほしい」と述べました。
第3次選択的夫婦別姓訴訟の寺原真希子弁護団長は「妻が改姓したケースで8割が話し合いを行っていない」との調査を示し、憲法24条は婚姻は両性の合意のみに基づくと定めているのに「同姓強制」の要件が重なり「自由かつ平等な意思」が保障されているとは言えないと指摘しました。
一般社団法人男女共同参画学協会連絡会の志牟田美佐さんは、科学・技術・工学・数学分野の研究者へのアンケート結果を示し「研究者の業績は名前でひも付けられており、改姓により業績が継続されないトラブルを抱えざるをえない状況は早急に解消しなければならない」と述べました。
事実と実態をふまえた陳述によって、自民党や日本維新の会などの「通称使用で解決できる」などの主張は成り立たないことが浮き彫りになりました。
徹底審議し実現を
会期末となり、立憲民主党が法案の採決を主張し、自民党は党内の意見集約は困難だとして採決に反対しています。維新、参政、保守などは別姓法案に反対の立場で質問しています。一方、立民と国民民主の二つの案は一本化できていません。こうした状況で採決すれば法案は否決されてしまいます。
立民提出の法案は1996年の法制審議会の答申案そのものです。政府の法制審が答申した案とすることで幅広い合意を得ようというもので、私たちも賛意を表明してきました。法制審案は、制度実現を求めるみなさんの希望です。国会の委員会が法制審案に「否決」の結論を出すことは避けるべきだと思います。
日本共産党は、さらに法案審議を深めることで合意を形成するため継続審議を求めてきました。参院選で人権保障に足を引っ張る政党や議員に厳しい審判を下し、秋の臨時国会で選択的夫婦別姓を実現するため全力を尽くします。