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2025年6月18日(水)

きょうの潮流

 「何のためのマイナンバーカード?」。引っ越し先の自治体の窓口で思わず声をあげました▼マイナンバーカードを使ってスマホで転出届の申請(引っ越しワンストップサービス)をし、朝一番に窓口に並んだのに転入届を受理してもらえなかったのです▼原因は、転出元の自治体の手続きがまだ済んでいないから。転出元の自治体に問い合わせると「1時間で処理するので待ってください」。ところが、1時間たっても2時間たっても処理は終わらず。結局、転出先の自治体で転入届を受理できるようになったのは3日後でした▼デジタル庁のHPを隅々まで読むと、転出届の申請をしてから転入届を提出するまでにはある程度余裕が必要だと。でも、何日必要かは書いてありません。自治体によって事情は異なりますが、申請欄には転入届の来庁予定日として翌日を指定できます▼マイナンバーカード1枚あれば○○ができると政府は大宣伝しますが、利用者が手元のスマホでピッピッと操作すればAIが自動的に処理してくれるわけではありません。デジタル化されても役所の一つひとつの手続き作業には、人が介在します。現場ではオンライン申請と窓口申請の両方を処理するので、窓口が大混雑すればオンライン申請の処理も滞ります▼国がマイナンバーカードの利便性を売り込むために、自治体の現場に無理な負担を課しているだけなのでは。スマホを指先で操作すると見知らぬ誰かが汗をかく。政府がめざす「デジタル社会」の正体です。


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