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2025年6月18日(水)

G7、イスラエル擁護

共同声明 対イラン先制攻撃批判せず

 【バンフ(カナダ西部)=洞口昇幸】主要7カ国首脳会議(G7サミット)がカナダ西部アルバータ州カナナスキスで16日午前(日本時間17日未明)に、2日間の日程で開幕しました。G7は同日、「イスラエルとイランの間の最近の情勢について」と題する共同声明を発表しました。声明は、イスラエルの先制攻撃に言及せず、懸念も批判も表明しない一方、「イスラエルが自衛権を有することを確認」し「イスラエルの安全保障への支持を表明する」としました。

 声明は他方、「イランが地域の不安定性とテロの根源」と断定し、反イランの立場を鮮明にしました。

 その上で声明は「イラン危機の解決が中東での敵対行為の緩和やガザ停戦につながるよう促す」としました。

 米メディアによると、欧州首脳らがまとめた声明草案にトランプ氏は当初、署名しない意向でしたが、一部の文言の変更によりトランプ氏の賛同を経て発表に至ったといいます。

 トランプ氏は16日夜、イスラエルとイランの衝突激化を理由に、サミットの途中で帰国しました。

 トランプ氏はサミット開幕直前に、ロシアが2014年にウクライナ南部クリミアを一方的に併合したことから、当時の主要8カ国(G8)からロシアを排除したのは「大きな間違いだった」と批判しました。トランプ氏は、ロシアがG8のメンバーのままだったら、現在のロシアによるウクライナへの侵略戦争は起きなかったと根拠を示さず持論を展開。同氏はこれまでもロシアを復帰させる考えに言及しています。

 また、記者から中国がG7に加わることの是非を問われ、「悪い考えではない」と述べました。

 今回のサミットは1975年にカナダ以外の日米欧6カ国の首脳会議が始まって50年の節目。議長国カナダのカーニー首相はサミット冒頭、「歴史的転換点に直面している。世界はさらに分断され、危うくなっている。私たちは時代とともに変化し、より良き世界を構築しなければならない。全ての問題で完全な同意はないかもしれないが、私たちの協力により次の繁栄の時代をもたらすだろう」と訴えました。


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