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2025年6月15日(日)

東京都議選

非公認6人「自民支部長」

裏金無反省 有権者欺く

 政治資金パーティーで裏金づくりに関与した都議会自民党の元幹事長6人が、東京都議選(22日投開票)で同党から公認を得られず無所属で立候補したにもかかわらず、自民党地域支部の代表(支部長)のままであることが、本紙の調べで分かりました。党支部にためていたとする裏金や政党助成金、企業・団体献金を使うことができる立場です。自身の公式サイトに「自民党」と明記している候補もいます。裏金づくりに無反省なばかりか、有権者を欺き選挙の公平性をゆがめる行為です。(丹田智之)


表

 都議選には都議会自民党が裏金づくりを認めた26人のうち17人が立候補しました。このうち幹事長経験者の6人(別表)について同党は“責任の重さ”を考えたとして公認しませんでした。

 この6人は1月に政治資金収支報告書の収入欄を訂正し、裏金化していたとする金額を記載していました。政治資金規正法違反の虚偽記載を認めた形です。

 東京都選挙管理委員会によると、都議選告示の時点で6人の政党支部から代表者を変更する異動届は出ていません。いずれの支部も2023年末の時点で、多額の繰り越しが残っていました。最も多いのは鈴木章浩氏(大田区)の支部で約2500万円でした。これらの政治資金を選挙で使うことが可能な立場です。

 ホームページでは、鈴木氏、宇田川聡史氏(江戸川区)、三宅茂樹氏(世田谷区)が「自民党」「自由民主党」と表記。公営掲示板では小宮安里氏(杉並区)が「元東京都議会自民党幹事長」と記しています。

 選挙戦でも非公認候補を自民党が全面的に支援しています。都連会長の井上信治衆院議員は、告示日に三宅氏、鈴木氏の応援演説をしました。山崎一輝氏(江東区)の出陣式には茂木敏充前幹事長、宇田川氏の第一声には松島みどり元法相の姿がありました。

 自民党都連に6人が支部長のままである理由などを質問しましたが、期限までに回答はありませんでした。

 都議会自民党の不記載を刑事告発した神戸学院大学の上脇博之教授(政治資金オンブズマン代表)は「非公認でありながら政党の資金を自由に使える状態にしていることは、有権者を欺く許しがたい行為です。裏金が発覚した都議らの多くは説明責任を果たしていません。裏金事件の真相解明に背を向ける自民党、都民ファーストの会、公明党の候補者に都議選で厳しい審判を下す必要がある」と指摘します。


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