2025年6月14日(土)
知りたい聞きたい 消費税減税(3)
レストランは値下がりする?
値下げ強要すれば破綻も
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Q 「食材の消費税がゼロ%になれば、レストランなどのメニューも値下がりするのでは?」
A それは違います。現在の8%の軽減税率でも、外食や酒は対象外で税率10%です。食料品をゼロ%にする場合も、一般的には外食と酒は対象外となるでしょう。「それでも、食材費が安くなれば、メニューの値段も安くできるのでは?」と思う方もおられるでしょうが、それも間違いです。消費税は、「売り上げにかかる消費税(図のA)から、仕入れにかかる消費税(図のB、C)を差し引いて、差額を納税する仕組み」です。食料品の税率がゼロになれば、食材の仕入れ額が消費税分(図のB)だけ安くはなりますが、税務署への納税額は図のように「A―(B+C)」と計算されるので、Bがゼロになると、かえって納税額が増えてしまいます。このため、食料品の消費税率がゼロ%になっても、レストランにとっては1円の恩恵もなく、値下げはできないのです。
でも、そんな仕組みをよく知らないお客さんからは、「なぜ値下げしないの?」と責められ、やむなく値下げせざるを得ない店も出てくるかもしれません。「そんなことになったら、店の経営が成り立たない」と心配している経営者も少なくありません。(つづく)