2025年6月12日(木)
23年度決算
紙議員の反対討論(要旨)
参院本会議
日本共産党の紙智子議員が11日の参院本会議で行った2023年度決算などに対する反対討論(要旨)は次の通りです。
23年度予算は安保3文書に基づき、敵基地攻撃能力を保有し、5年間で43兆円にのぼる大軍拡計画をスタートさせた「戦争国家づくり元年予算」です。軍拡のあおりを受け、国民の暮らしを守る予算は圧縮されました。その結果である23年度決算は是認できません。
決算審議は、過去の経験、教訓を今後の政治に生かすために行われるものです。私が初めて参議院に議席を得た01年、国内初の牛海綿状脳症(BSE)感染が発見され、農林水産委員長に閉会中審査を求め、実現しました。国会は国民にとって切実なことは受け止めて動くと、その役割の重みを実感しました。
今年度予算でも高額療養費の上限引き上げをやめる予算修正を参院が議決したのは患者らの切実な声を真摯(しんし)に受け止めた結果です。
東日本大震災の翌朝早く福島県いわき市に向かい、小名浜海岸の商店街は惨たんたる状況で、福島第1原発爆発のニュースに恐怖を感じました。首相官邸前の原発再稼働反対行動が何万人という規模に広がり、政治は何をすべきなのか日々考え行動し、政治を動かすのは国民だと実感しました。
安保法制強行で思い出したのは、父から聞いた戦争体験です。航空隊整備士として任務に就き、特攻隊の若い兵士たちと前夜に水杯を交わし、翌朝にっこり笑って敬礼して飛び立つ姿を見送ったが、誰一人帰らなかった。「あの若者たちが死なずにいたら、その後の日本にどれだけ役に立っていたか。二度とあんな戦争をやってはいけない」と繰り返していました。こうした思いが憲法9条を守れ、安保法制反対運動につながりました。平和を準備する外交こそ必要です。憲法9条を生かした平和外交を求めます。
この24年間、規制緩和と自由化から日本の食と農を守るたたかいの連続でした。いまのコメ不足、米価高騰の背景には規制緩和があります。また、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)など政府の歯止め無き自由化路線で、生産基盤の弱体化が進んでいます。農業、農村を軽んじる国に未来はありません。生産者に自己責任を迫るのではなく、新自由主義的農業から脱却し、人と環境にやさしい農政に転換すべきです。
「志高清遠」という言葉があります。志を高く清い心で、遠大な理想をもって生きよという意味です。北海道えりも町の漁師から教わりました。希望を語り地域の営みが輝く未来をつくるために、みなさんとともに、今後も歩み続けます。