2025年6月12日(木)
参院本会議2023年度決算
「政治動かすのは国民」与野党超え万雷の拍手
勇退 紙氏最後の討論
![]() (写真)討論に立つ紙智子議員=11日、参院本会議 |
今期で引退する日本共産党の紙智子議員は11日の参院本会議で、2023年度決算などへの最後の反対討論に立ちました。(要旨)
紙氏は24年間の国会議員生活を振り返り、当選直後に発覚した国内初の牛海綿状脳症(BSE)対策の閉会中審査を求めたところ実現し、切実な要求を受け止め動くのが国会の役割だと重く感じたと回顧。東日本大震災の翌日に福島県いわき市で目の当たりにした被災地の深刻な被害と福島第1原発事故、その後、数万人規模で広がった原発再稼働反対の行動に触れ「政治は何をすべきか日々考え行動し、政治を動かすのは国民だと実感した」と強調しました。
戦時下に航空整備士だった父親が、特攻隊兵士を戦地で見送りその後誰一人帰ってこなかったと嘆き「もう二度とあんな戦争をやってはいけない」と繰り返し話したことが憲法9条を守れ、安保法制反対の運動につながったと強調。「9条を生かした平和外交を強く求める」と訴えると、他党からも「そうだ」の大きな声と拍手が起こりました。
この24年間は政府による規制緩和と自由化から日本の食と農を守るたたかいの連続だったと強調。「農業・農村を軽んじる国に未来はない」と力を込め、新自由主義的農業から脱却し、人と環境に優しい農政に転換すべきだと求めました。
最後に、志高く遠大な理想をもち生きよ、と北海道の漁師から教わった「志高清遠」の言葉を紹介。「希望を語り、地域の営みが輝く未来をつくるため今後も歩み続けたい」と決意を述べた紙氏に議場から与野党を超え、万雷の拍手が送られました。