2025年6月11日(水)
障害年金の抜本改革を
実態とかけ離れた認定基準 倉林氏が指摘
参院厚労委
![]() (写真)質問する倉林明子議員=10日、参院厚労委 |
日本共産党の倉林明子議員は10日の参院厚生労働委員会で、障害年金が大量に不支給と判定され多くの無年金者を生み出している実態を示し、制度の抜本的改革を政府に求めました。
倉林氏は、2023年度の障害者推計1160万人に対し障害年金受給者は222万人で、8割は無年金に置かれたままだと指摘。請求者の12人に1人が不支給と裁定されている実態を示し、障害年金の不支給が前年度より急増していたとする今年3月の報道の受け止めをただしました。
日本年金機構の大竹和彦理事長は「報道を踏まえ不支給処分の場合はより丁寧に審査するよう指示した」と答弁。倉林氏は「年金行政に対する国民の信頼を損なうだけでなく、障害者に対する差別的な扱いにもつながっていく」と追及しました。福岡資麿厚労相は今月中旬をめどに調査結果を公表し、「その結果を見て必要な対応をとる」と答弁。倉林氏は「サンプル調査にとどめず不支給者全体の再調査を行って不適切な判定がなされていた場合、さかのぼって支給すべきだ」と求めました。
倉林氏は、多くの無年金者が生み出される要因として「多くの障害者の実態と認定基準があまりにも乖離(かいり)している」と指摘し、認定基準を障害者の実態に合わせて抜本的に見直すよう要求。福岡厚労相は「必要な見直しを行う」と答えました。
倉林氏は「国連障害者権利委員会からの勧告を踏まえて認定基準を医学モデルから社会モデル、人権モデルに転換すべきだ」と指摘。制度を抜本的に見直すために当事者、専門家による集中した議論を今すぐ開始すべきだと迫りました。