しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年6月10日(火)

奈良・平群町メガソーラー

ずさん工事で土砂流出

参院環境委 山下氏が追及

写真

(写真)質問する山下芳生議員=5月29日、参院環境委

 日本共産党の山下芳生議員は5月29日の参院環境委員会で、奈良県平群町のメガソーラー建設現場からの土砂流出問題を追及しました。

 問題の建設現場では広葉樹林が伐採され、壁のような盛り土が造成され、のり面では浸食が起き、盛り土の下部は崩壊しつつあります。盛り土の下流には住宅団地があり、これまで約7回にわたり降雨時に土砂や濁水が道路に流入。5月24日にも夜の1時間20ミリ程度の雨で、のり面が崩落し土砂が流出しました。

 山下氏は「下流の住民は、熱海土石流災害のような大災害が起きるのではないかと大変不安を感じている。こんなずさんな盛り土の造成は違法ではないか」と追及。国交省の服部卓也大臣官房技術審議官は「盛土規制法に反する工事かは奈良県が判断する。県は現在、事業者に対し再発防止を指導している」と答えました。

 ずさんな工事の背後には、全てのメガソーラー事業に共通する利益優先の転売問題があります。平群町のメガソーラーの事業者は2012年に再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の事業計画として認定され、5回の転売をへながら、いまだ発電事業は実行されていません。

 山下氏は、転売ごとに利ざやが抜かれ、盛り土造成の経費が削減され、ずさんな工事の原因となったのではないかと指摘。「ソーラーパネルを設置しても(土砂流出などで)危険だからと事業者が放置し、逃げることにもなりかねない。誰が責任を取るのか」と迫りました。

 資源エネルギー庁の伊藤禎則省エネルギー・新エネルギー部長は「違反が解消されない場合、FIT認定の取り消しの対象となる。制度を厳格に運用していく」と答弁。山下氏は「事業者にまじめに発電事業に取り組む意思と能力があるかどうか、一定の時期に判断する仕組みが要るのではないか」と提案しました。


pageup