2025年6月8日(日)
「米戦略下での戦争体制づくりやめよ」
フィリピンとの軍事協力推進を批判
参院外防委 山添氏
![]() (写真)質問する山添拓議員=5日、参院外防委 |
自衛隊とフィリピン軍による共同訓練などの活動を容易にする「日・比部隊間協力円滑化協定(RAA)」が6日の参院本会議で自民、公明、立民、維新、国民民主などの賛成多数で承認されました。日本共産党、れいわ新選組、沖縄の風は反対しました。
日本共産党の山添拓議員は5日の参院外交防衛委員会で、「米国の軍事戦略を前提に戦争体制づくりを進めるもので、憲法9条に反する」と主張。安保3文書のもとでフィリピンと進める軍事協力の狙いを追及し、中国を念頭に力による平和を公言する米国中心の態勢強化を批判しました。
シンガポールでのアジア安全保障会議に際し5月31日に開催された日米豪比防衛相会談は共同声明で、東・南シナ海の情勢認識で中国を名指しし、4カ国による情報共有の重要性を強調しました。
山添氏は、共有強化の狙いが「共通運用状況図(COP)」の確立にあるとの報道について追及。大和太郎防衛省防衛政策局長は「フィリピンと高度な運用面の連携を進めていくために機微な情報も含めて共有が必要」と否定しませんでした。山添氏は「COPは戦場の見取り図で指揮官の意思決定を支援する。4カ国の一体的な武力行使の準備だ」と強調しました。
山添氏は、マレーシアのアンワル首相が同会議で、軍備競争をあおり多国間主義を掘り崩す連合に異議を示し「安定した地域とは紛争に備えた地域ではない」と表明したことに言及。「力対力の挑発でなく対話と協力の外交に力を注ぐべきだ」と主張しました。