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2025年6月7日(土)

きょうの潮流

 断腸の思いで閉鎖や縮小を決める病院。仮眠もとれずに働く医師や看護師。助けを求めてさまよう患者たち。現場からは悲痛な叫びが次々と▼医療現場の最前線に密着したNHKの番組が相次いで放送されています。実際、病院がなくなったり、診療科や患者の受け入れが減らされる現状は都会でも地方でも。物価高や人件費の高騰で、いま全国の病院の6割以上が赤字になっています▼地域の医療を支えてきた病院は「あらゆる手を尽くしてきたが、もう限界だ」と訴えます。国が決める診療報酬は低く抑えられたまま、病院経営は悪化の一途。医師やスタッフの不足、建物の老朽化も重なり日本の医療は崩壊の危機に陥っています▼必要な医療に力を入れれば入れるほど経営が傾いてしまう。ある関係者は「まっとうな医療をして黒字を出すのはほぼ不可能」だといいます。しわ寄せや負担が重くのしかかる医療従事者の離職も続出しています▼医療団体や従事者の多くが国の財政支援や根本的な制度の改革を求めています。それなのに自民、公明の与党と維新の会は医療費の4兆円削減で合意し11万の病床を減らす計画を。共産党の田村智子委員長は「医療機関の危機をさらに深刻にするもの」と批判し、撤回を求めました▼理想と経営のはざまで葛藤する院長、志と現実の間でもがく医師たち。あのコロナ禍で心身を削りながら治療にあたった人たちが苦悩の中にいます。それを支え、いつでも、誰でも受けられる日本の医療を守るときです。


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