2025年6月6日(金)
女性の低年金解決を
参院委 倉林氏「抑制やめよ」
![]() (写真)質問する倉林明子議員=5日、参院厚労委 |
日本共産党の倉林明子議員は5日の参院厚生労働委員会で、年金改革法案を巡り、年金を物価や賃金より低く抑える「マクロ経済スライド」の速やかな廃止なくして女性の低年金問題は解決しないと政府に迫りました。
倉林氏は、女性の低年金の実態として、現行制度で最も直近に給付を受ける65歳の場合、受給資格のない加入期間10年未満が43・8%を占め、「低賃金構造が変わらなければ、男女の年金格差は埋まらない」と強調。2024年の財政検証で示された、マクロ経済スライドによる給付抑制期間を厚生年金と基礎年金で一致させた場合や、被用者保険の適用を200万人に拡大した場合について「(老齢基礎年金の)給付増額の影響はわずかで、女性の低年金構造は変わっていない」と指摘しました。
倉林氏は「年金自動引き下げ装置であるマクロ経済スライドを続ける限り、給付水準が下がり続ける。将来不安を拡大する年金の引き下げをまず止めるべきだ」と指摘。福岡資麿厚労相は「将来世代の年金の給付水準の低下につながる」と拒否しました。
倉林氏は「持続可能な年金制度は残っても、今の高齢女性の生活が持続しない」と批判し、物価高に負けない年金にするために290兆円の年金積立金を今すぐ活用すべきだと要求。「世界で給付の5年分も積立金をため込んでいる国はない。使うなら今だ」と指摘しました。
女性の年金受給者の平均給付月額は7万円弱で、10万円を切る低年金受給者は全体の86%に及びます。倉林氏は「高齢女性が年金だけでは到底暮らしていけない水準に置かれている」と指摘。最低保障年金制度の実現に踏み出すべきだと主張しました。