2025年6月5日(木)
主張
「赤旗」報道の自由賞
権力を監視し真実伝える決意
「日本共産党が運営する『しんぶん赤旗』は自民党の不正な政治資金スキャンダル、特に党内派閥内でのキックバックの摘発できわめて重要な役割を果たした。彼らの報道は後に主要メディアも追随し、日本の政治体制を揺るがした。間違いなく、一人の首相が失脚し、昨年10月の衆院選挙での連立与党が過半数を失うことにつながった」
公益社団法人・日本外国特派員協会が「赤旗」を2025年の「報道の自由賞・日本賞」に選んだ授賞理由です。「赤旗」が自民党の裏金問題に関する一連の報道で受賞するのは、昨年9月のJCJ(日本ジャーナリスト会議)大賞などに続くものです。
■政治体制揺るがす
「赤旗」日曜版は22年11月、自民党5派閥が政治資金パーティーの収入を政治資金収支報告書に記載していなかったことを告発しました。これをきっかけに、裏金事件という自民党ぐるみの組織的犯罪が明らかになり、岸田文雄首相の退陣につながりました。
今回の「報道の自由賞」授賞の理由では、「赤旗」の「最大のスクープは、(衆院選の)選挙期間中に自民党本部がスキャンダルを起こした無所属候補に2000万円を流していたことを明らかにした」報道だとしています。
これは、「赤旗」日刊紙が24年10月、自民党が裏金づくりをした議員を「非公認」にするポーズを取りつつ、実は税金を原資にする政党助成金2000万円を提供し「裏公認」していたことを暴露したものです。自民党は国民の激しい怒りを買い、与党過半数割れという歴史的な敗北となりました。
日本外国特派員協会は、外国の報道機関の特派員として日本で活動する記者や、過去に外国特派員としての経歴を持つ現役のジャーナリストなどで構成されています。
「報道の自由賞」は、その表彰規程によると、「日本およびアジア太平洋地域における報道の自由を高揚することを目的」とし、「毎年、その目的に顕著な貢献をなしたジャーナリスト個人または報道機関を表彰する」ものです。同賞には「日本賞」と「アジア賞」があり、前者は「日本のメディアの水準向上に著しく貢献したジャーナリストまたは報道機関に与えられる」としています。
■党の機関紙だから
今回の授賞理由は、日本の主要メディアについて「与党に積極的に異議を唱えることを長い間ためらってきた」と指摘しています。一方で「赤旗」は「党系出版社としてみなされているにもかかわらず、権力者を追及するジャーナリストとしての誠実さを示してきた」「民主主義における独立したウオッチドッグ(権力を監視する番犬)・ジャーナリズムの重要な役割を証明」してきたと述べています。
「赤旗」がタブーなく権力を追及できるのは、財界・大企業中心、日米軍事同盟絶対の自民党政治のゆがみに切り込み、それを終わらせるために奮闘している日本共産党の機関紙だからです。
「赤旗」は今後とも、権力監視と真実の報道というジャーナリズム本来の役割を果たすべく力を尽くす決意です。