2025年6月5日(木)
物価高超す年金額を
参院本会議で倉林議員 法案審議入り
![]() (写真)質問する倉林明子議員=4日、参院本会議 |
年金を物価や賃金の伸びよりも低く抑える「マクロ経済スライド」を温存する年金改革法案(国民年金法改定案)が4日、参院本会議で審議入りしました。日本共産党の倉林明子議員は代表質問で「物価高に負けない年金の引き上げは待ったなしだ」と石破茂首相に迫りました。(質問要旨)
倉林氏は、国民年金法第4条は国民の生活水準に著しい変動が生じた場合、速やかに改定の措置を講じなければならないと規定しているとし、「40年ぶりの異常な物価高は著しい変動にほかならない」と指摘。物価高を上回る年金額の再改定を速やかに行うよう求めました。
石破首相は「近年も年金額を改定してきている」などと拒否しました。
法案は自民、立憲民主、公明の3党合意で修正され、年金額の「底上げ」措置は2029年の財政検証を踏まえて判断すると先送りされています。倉林氏は「マクロ経済スライドは今後10年以上継続し、年金水準の引き下げは続くことになる」と指摘。ただちにマクロ経済スライドを停止するよう迫りました。
石破首相は「(マクロ経済スライドは)将来世代の年金の給付水準を確保するために今後とも必要な措置だ」と強弁しました。
倉林氏は、▽巨額の年金積立金を年金の引き上げに活用▽厚生年金保険料の上限を医療保険並みの年収2000万円まで引き上げ▽短時間労働者の被用者保険のさらなる適用拡大―などを提案し、年金の引き上げは可能だと主張しました。
さらに倉林氏は、深刻な女性の低年金は男女の雇用差別、賃金差別、非正規の拡大など「政治が招いた結果だ」と指摘。就職氷河期世代を含め低年金・無年金者をなくすために最低保障年金制度をつくるよう求めました。