2025年6月5日(木)
選択的別姓 今度こそ
本村議員呼びかけ 衆院委で質疑始まる
選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案などの質疑が4日の衆院法務委員会で始まりました。同委で選択的夫婦別姓導入の法案の質疑が行われるのは1997年以来28年ぶり。日本共産党の本村伸子議員は、選択的夫婦別姓を求める請願が国会に提出されて50年、当事者らとともに法改正を求め続けてきたと述べ、同制度の実現を訴えました。
![]() (写真)質問する本村伸子議員=4日、衆院法務委 |
立憲民主党、国民民主党がそれぞれ提出した、婚姻時に別姓を選べるようにする各法案と、日本維新の会が提出した旧姓の通称使用を法的に位置づける法案を審議しました。
本村氏は、名字と名前がセットの氏名について、「人が個人として尊重される基礎であり、その個人の人格の象徴で、人格権の一内容を構成するもの」とする1988年の最高裁判決を引き、各党の提案者に「氏名とは何か」と質問しました。
立民、維新、国民の法案提案者はともに、氏名は最高裁判決の通りだと答えました。
本村氏は、通称使用の法制化について、法制審の議論で「個人の氏に対する人格的利益を法律上保護する夫婦別姓の理念が後退する」などとして否定されたと指摘。維新案では、免許証などに記載され周囲から呼ばれる通称こそが、社会から識別され個人として尊重されていると感じる氏名だとして、戸籍上だけに残る改姓後の氏にどんな意味があるのかただしました。
維新の藤田文武議員は「夫婦から子に受け継がれ家族全体のアイデンティティーの基礎となる、家族の呼称としての意義がある」と強調しました。
本村氏は、一般社団法人「あすには」の事実婚当事者への調査では、推計58万7000人が法律婚を待っていると紹介しました。新日本婦人の会のアンケートに寄せられた「これまでのキャリアとアイデンティティーの崩壊を感じ、泣いた」などの当事者の声を紹介し、「アイデンティティー喪失は我慢しろということか」と追及。個人として尊重され、個人の尊厳、両性の本質的平等を実現する立場から選択的夫婦別姓制度の実現に向けた合意形成をと求めました。