2025年6月4日(水)
改定森林経営管理法
木材メーカーの利益図る仕組み批判
参院農水委 紙議員
![]() (写真)質問する紙智子議員=20日、参院農水委 |
改定森林経営管理法が5月23日の参院本会議で、自民、立民など各党の賛成で可決、成立しました。日本共産党、れいわ新選組などは反対しました。共産党の紙智子議員は同20日の参院農林水産委員会で、改定法は伐採を求める木材メーカー等(林業経営体)に有利な仕組みにするものだと指摘し反対しました。
同法は市町村が仲介し、森林所有者から木材メーカーなどに木材を供給する制度を定めたものですが、5年たっても供給は進んでいません。紙氏は森林所有者の7割が現状維持を望んでいたのに、林野庁が市町村に木材供給促進のための集積・集約化計画などを求め、森林所有者の意向を尊重しなかったため供給が進まなかったと指摘。江藤拓農水相は「管理しきれない森林所有者が多い。制度は間違っていなかった」と開き直りました。
改定法は、「地域経営管理集約化構想」や「経営管理支援法人制度」を設け、集積・集約化を迅速化します。木材メーカーなどは「集約化構想」を提案し、「支援法人」への参入も可能です。紙氏は木を伐採したいメーカーのための仕組みになると指摘。林野庁の青山豊久長官は「森林所有者の意向が無視されることは想定されない」と答弁しました。
紙氏が「構想」づくりには、災害の多発や森林の多面的な機能の発揮を考えれば議会の関与や地域住民の理解が必要だと指摘すると、青山長官は「議会手続きはないが、公告縦覧手続きはある」と答弁。紙氏は縦覧期間はわずか2カ月にすぎず、木材メーカーの利益を後押しする危険があると重ねて批判しました。