しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2025年6月4日(水)

主張

中国と天安門事件

いまなお問われる人権の弾圧

 中国・北京で民主化を求める学生、市民らの非暴力のデモを当局が武力で弾圧した天安門事件から4日で36年です。民主主義と人権を踏みにじり、科学的社会主義とも無縁な弾圧に対し、日本共産党はただちに中央委員会声明を発表し、「中国党・政府指導部の暴挙を断固糾弾する」と厳しく批判しました。

 この態度は、及び腰の対応にとどまった日本の他の政党とは対照的でした。人権を擁護し発展させることは国際的な課題となっており、中国指導部の暴挙とそれへの無反省は厳しく問われ続けます。

■言論には言論で

 1948年の国連総会で決議された世界人権宣言は、思想、良心及び宗教の自由や、意見・表現の自由、平和的集会・結社の自由などの権利を列挙し、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」と規定しました。

 これらの内容をより詳細にし、法的拘束力を持つ条約として「市民的及び政治的権利に関する国際規約」(自由権規約)などが66年の国連総会で採択されました。さらに93年の国連世界人権会議で採択された「ウィーン宣言」は、人権と基本的自由の促進と保護は「政治的、経済的及び文化的制度のいかんにかかわらず、国家の義務である」ことを明確にしました。

 中国政府もこれらの宣言や規約に署名や支持をしています。天安門事件を「動乱」と呼び、「国家政権と人民の根本利益を守った」と正当化する立場は、人権に関する自らの国際公約と矛盾しないのか問われます。中国国内でも事件の被害者遺族から、「政権による人民に対する犯罪を直視し、被害者遺族と人民に謝罪するべき」だとの声も上がります(本紙2日付)。

 日本共産党は、60年代から70年代にかけて毛沢東派による干渉と攻撃で中国共産党との関係が断絶しました。98年に関係を正常化した際の両党会談で、不破哲三委員長(当時)は天安門事件について、平和的な運動を武力行使でおさえる暴挙と批判し、「言論による体制批判にたいしては、これを禁止することなく、言論で対応する」重要性を指摘しました。

■冷静な対話通じ

 日本共産党は2023年に提言「日中両国関係の前向きの打開のために」を発表し、両国間の緊張や対立を打開する外交努力をよびかけた際も、従来の中国に対する批判的立場を明確にしています。今年4月に志位和夫議長が日中友好議員連盟の一員として訪中した際も、中国側との会談の席でその立場を表明し、両国間の対話を促しました。

 日本共産党はその綱領で、「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」「思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」と強調しています。

 中国側に対して、意見が異なる問題では率直に党の立場を表明しながら、事実と道理に立った冷静な対話で、日中両国を含む東アジアの平和構築のために力をつくしていきます。


pageup