2025年5月30日(金)
解釈変更過程 開示せよ
学術会議の見解歪曲 井上氏が追及
参院内閣委
![]() (写真)質問する井上哲士議員=29日、参院内閣委 |
日本共産党の井上哲士議員は29日の参院内閣委員会で、日本学術会議解体法案の審議の前提である任命拒否と、学術会議の見解を歪曲(わいきょく)する政府答弁の問題を追及しました。
学術会議が推薦した候補を首相が「形式的」に任命するという国会答弁で確定した解釈に反し、2020年に当時の菅義偉首相が6人の任命を拒否。解釈変更の検討過程を示す行政文書の黒塗り部分は今も開示されていません。
井上氏は「国会答弁に反する解釈に一方的に変更されたら、国会審議の意味がなくなる」と述べ、開示を要求。坂井学内閣府担当相は明確な法文の根拠を示さず「情報公開法の不開示事由に該当する」と強弁するだけでした。
「科学者の総意の下に…設立される」と明記した現行法の前文を削除した法案について、井上氏は、学術会議の独立性のよりどころである前文が法案に引き継がれていないと批判。坂井担当相は、学術会議の総会声明(4月)が「学術会議の理念と位置付けは変わらず存続」すると宣言していることを挙げて反論しました。声明の該当部分の趣旨を井上氏に問われた光石衛学術会議会長は「学術会議のあるべき姿について宣言したものだ」と述べ、坂井担当相の見解を明確に否定しました。
法案は、国の「特別の機関」である学術会議を特殊法人とし、首相任命の監事をはじめ政府が介入できる仕組みを幾重にも新設。学術会議はこれに対し繰り返し懸念を表明しています。井上氏は光石氏に、衆院での質疑を経て懸念は払拭されたかと質問。光石氏は「懸念が完全に払拭されたとは言えない」と述べました。