2025年5月30日(金)
コメ不足 背景に農家切り捨て自民農政
紙氏「農業予算拡充こそ」
参院農水委
紙氏は、昨年夏にコメ不足が発生した際、米価の安定策もとらず、備蓄米を放出しなかった政府の後手後手の対応は、政府がコメの供給量の不足をかたくなに認めようとしないことが出発点にあると指摘。民間の在庫量は一貫して前年割れを続け、適正在庫量をはるかに下回り、2023年6月からの1年で需要量約705万トンに対し23年の生産量は661万トンと深刻な供給量不足に陥った実態を示しました。(論戦ハイライト)
![]() (写真)質問する紙智子議員=29日、参院農水委 |
この背景として、生産者に減反と低米価政策を進め、農家への支援を切り捨てコメ生産を衰退させてきた政府の政策にあると指摘。13年の「日本再興戦略」で生産コストの4割削減を掲げ、実践可能な農家だけを支援したことで、生産者米価は採算がとれない水準まで下がったと強調しました。また10アールあたり1万5000円の所得補償を全廃し、年間約1500億円の所得を全国のコメ農家から奪ったと批判しました。
その結果、コメ農家の1時間あたりの労働報酬は10円(21、22年)に落ち込む事態に陥り、2000年以降、コメ農家は3分の1まで減少したと指摘。「大規模・小規模問わず、農家の所得を補償する政策を行うべきだ」と求めたのに対し、小泉進次郎農水相は「どんなセーフティーネットが農家に安心してもらえるか、提案いただいていることも含めて政策の議論が必要だ」と述べました。
紙氏は、農水省予算は2兆3000億円まで削減された一方、軍事費は8兆7000億円まで膨れ上がっているとして、「命を支える食料・農業予算こそ拡充が必要だ」と要求。小泉農水相は「方向性、全く同感だ。今後予算も含めて増やしていく」と応じました。