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2025年5月28日(水)

主張

武器見本市首相発言

「死の商人」国家化許されない

 イスラエルがパレスチナ・ガザへの攻撃で使用している兵器の模型が展示された武器見本市で石破茂首相が講演し、「戦争というものがどれほど軍事技術を進歩させるか」などと述べました。イスラエルによる国際法違反のガザ攻撃をも肯定するかのような発言で、決して見過ごすわけにはいきません。

 防衛省・自衛隊などが後援する世界最大級の国際的な武器見本市(DSEI Japan 2025)が21日から23日まで、千葉市の幕張メッセで開かれました。出展企業は30カ国以上から約470社、うちイスラエルからは約20社に上りました。

 石破氏は22日、現職の首相として初めて、この武器見本市に出席しました。講演の中で、戦争が軍事技術の急激な進歩をもたらすという認識を示し、兵器の国際的な共同開発・生産を推進する考えを示したことは重大です。

■ガザ攻撃肯定にも

 武器見本市でイスラエル企業のブースが集まったパビリオンでは、同国の大手軍需企業エルビット・システムズが自爆型ドローン(無人航空機)「スカイストライカー」の模型を展示しました。

 スカイストライカーは4月、ガザの避難民テントなどへの攻撃で少なくとも5回にわたり使用され、子ども14人を含む30人以上を殺害したと報じられています。エルビット・システムズ社はホームページに載せている同機の紹介映像で「戦闘で実証済みの精密な攻撃能力」を宣伝しています。

 5月には、イスラエルがガザ攻撃のいっそうの拡大を宣言(16日)し、その後連日、100人を超える死者が出ていました。

 中谷元・防衛相は武器見本市へのイスラエル企業の出展について「他の参加国と同様、国際的な防衛装備品、技術の最新動向の把握に資するものであり、問題があるとは考えていない」と国会で答弁し容認していました。これに対し日本共産党の山添拓議員が「イスラエル企業が展示によって広げようとする技術力はガザでのおびただしい犠牲の上のものだ」とし、「それと日本の政府や企業が軒を並べるのは言語道断だ」と厳しく批判したのは当然です。(20日の参院外交防衛委員会)

 防衛省・自衛隊は自爆型ドローンの導入を計画し、スカイストライカーもその候補です。イスラエルのジェノサイド(集団殺害)への加担となる同機の導入は絶対に行うべきではありません。

■日本から売り込み

 同時に問題なのは、防衛省・自衛隊が武器見本市で最新鋭兵器の売り込みを図ったことです。

 日本は、英国、イタリアと共同開発している次期戦闘機の模型を特設展示しました。政府は憲法の平和主義を踏みにじり、殺傷兵器の最たるものである同機の第三国への輸出を認める閣議決定を行っています。

 石破氏は講演で、日本と同盟国・同志国が協力し、第三国への武器輸出を進めることも強調しました。首相が先頭に立って日本を「死の商人国家」にすることは断じて許されません。


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