2025年5月24日(土)
「百年安心の年金」は完全崩壊
田村貴昭氏が指摘
厚労相「正式に用いていない」
衆院厚労委
![]() (写真)質問する田村貴昭議員=23日、衆院厚労委 |
日本共産党の田村貴昭議員は23日の衆院厚生労働委員会で、年金改革法案(国民年金法改定案)を巡り、年金給付水準が物価や賃金の伸びより低く抑えられ、今後も実質削減が続くと指摘し、自公政権がうたってきた「百年安心の年金」は崩壊しているとして、その欺瞞(ぎまん)をただしました。
田村氏は、石破茂首相や福岡資麿厚労相が国会答弁で「政府が『百年安心』という用語を用いたことはない」などと繰り返したが、2019年6月10日に安倍晋三首相(当時)が国会で「マクロ経済スライドによって百年安心という年金制度ができた」と答弁したと指摘。マクロ経済スライドの導入から20年で公的年金の給付水準は実質8・6%削減され、今後27年にわたって年金削減が続き、実質15%も切り下げられるとして、「『百年安心の年金』は完全に崩壊している」と強調しました。
福岡厚労相は「正式にそうした言葉を用いたわけではない」などと開き直りました。
田村氏が公明党の坂口力厚労相(当時)も04年に「百年安心にしたい」と述べていた事実を突きつけると、同党の鰐淵洋子厚労副大臣は「そうした文言を用いて政策の実現を求めていた」と認めました。
田村氏は、改定案にある厚生年金の適用拡大(200万人)を実施する政府案や、厚労省が見送った厚生年金の積立金を活用する案でも年金給付が減ることに違いはないと指摘。厚生年金の積立金活用や、標準報酬月額の医療保険並みの引き上げにより、マクロ経済スライドを停止すべきだと主張しました。