2025年5月21日(水)
無期転換 希望者と運用実態に乖離
研究者雇い止め問題追及
参院文教委 吉良議員
![]() (写真)質問する吉良よし子議員=15日、参院文科委 |
日本共産党の吉良よし子議員は15日の参院文教科学委員会で、大学・研究機関での有期雇用、雇い止め問題についてただしました。
研究者の場合、労働契約法上の無期転換ルールを通算5年から10年に延長する特例があります。吉良氏は、最初の10年が経過した2023年以降、無期転換逃れの雇い止めなどルールが適切に運用されていない実態があるのではないかとして、文部科学省の調査結果を質問。同省の井上諭一科学技術・学術政策局長は、無期転換を希望する者は58・4%で、実際に無期転換申し込み権を行使した者は8・8%だと答えました。
吉良氏は、あまりに乖離(かいり)が大きいとして、その背景は何かと質問。阿部俊子文科相は「次回の調査で詳細に実態を把握したい」と述べるにとどまりました。
吉良氏は、理化学研究所で無期転換を申し込んだために嫌がらせを受けた例などを示し、無期転換ルールが効果的に活用されていないと指摘。研究者の雇用の安定よりも流動性に重点を置き、競争的経費に偏り、基盤的経費を抑制している文科省の姿勢こそ研究者の雇用が安定しない原因だと告発。稼げる大学と称して予算を出し渋り、研究者を切り捨て、学生に学費の負担増を押し付ける政治からの転換を求めました。