しんぶん赤旗

お問い合わせ

  • 文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら

2025年5月16日(金)

諫早湾干拓事業 漁獲データ公開を

漁師・研究者の声を聴け

参院農水委 紙議員

写真

(写真)質問する紙智子議員=13日、参院農水委

 日本共産党の紙智子議員は13日の参院農林水産委員会で、政府が公開を拒否している諫早湾周辺の漁獲量などのデータを示すよう要求しました。また、制限を設けずに広く漁業者や研究者との話し合いに応じるよう求めました。

 「ギロチン」と呼ばれる潮受け堤防で諫早湾を閉め切った国営諫早湾干拓事業をめぐり、排水門の開門を強制しないよう国が求めた訴訟で、国は「有明海の漁獲量は増加傾向だ」と主張していました。しかし、実際には潮受け堤防のしめ切りによって、有明海の海洋環境と漁業資源は危機的な状況にあります。

 紙氏は「お金にならないクラゲや芝エビを除くと、貝類や魚類の漁獲量は減少の一途だ。養殖ノリも厳しい不作が続いている」と指摘。諫早湾周辺の漁獲データを要求したが、統計の取り方の変更を理由に拒否されたと述べ「国会が合理的な意思決定を行うのに必要なデータを提供できないのは問題だ」と強調しました。

 江藤拓農水相は「国会での議論にあらゆる統計データを扱うのは理屈にかなっているが、法律の建て付け上問題がある。ちょっと考える必要がある」と答弁しました。

 紙氏は「漁業者が持続的に生計を営める海洋環境の再生について目標を定め、政府が責任をもって実現するべきだ」と述べ、「そのため、漁業者や研究者など、関係者の意見を分け隔てなく聞くべきだ」と主張しました。