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2025年5月16日(金)

情報根こそぎ収集の危険

刑事デジタル法案可決 仁比氏が反対討論

参院法務委

写真

(写真)反対討論に立つ仁比聡平議員=15日、参院法務委

 膨大な電子データ(電磁的記録)の提供を罰則付きで企業や個人に命じる刑事デジタル法案が15日の参院法務委員会で、自民、立民、公明、維新、国民民主などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。

 日本共産党の仁比聡平議員は反対討論で、法案で新設される電磁的記録提供命令は、際限なく蓄積される巨大サーバーやクラウド上のデジタル個人情報を押収対象とし、被疑事実と無関係の情報が根こそぎ収集される危険があると警告。法文は具体的な要件を定めない広範なもので、憲法35条が保障するプライバシー権の不当な侵害で、包括的押収を許容することになりかねないと指摘しました。

 提供命令が取り消された後も、押収した個人情報を消去せずに捜査機関の手元に蓄積し続け、令状なき他の事件や不当な住民監視など公安警察活動にも利用することを当然視していると批判。岐阜県警大垣署事件など過去の捜査機関による人権侵害に対し全く無反省だと非難しました。

 仁比氏は質疑で、法案が新設する秘密保持命令が発せられた場合、個人情報本来の持ち主は自らの個人情報が捜査機関に丸裸にされたことを全く知らぬまま、不服申し立て権を事実上奪われると指摘。不服申し立ての権利である準抗告の手続きを否定するものだと迫りました。法務省の森本宏刑事局長は「権利を不当に制約するものでない」と強弁しました。

 仁比氏は捜査機関の不当な捜査に対し、被疑者の人権を守るための保障を奪うものだとして、捜査機関による人権侵害の危険性を改めて警告しました。


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