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2025年5月14日(水)

援護法基づく救済を

長崎「被爆体験者」巡り仁比氏

参院決算委

写真

(写真)質問する仁比聡平議員=12日、参院決算委

 日本共産党の仁比聡平議員は12日、参院決算委員会で、80年前の広島、長崎の原子爆弾の「黒い雨」や放射性降下物による健康被害について、国が被爆地域に指定しないために被爆者と認定されない長崎の「被爆体験者」全員の救済を求めました。

 仁比氏は、長崎で原爆の威力を測定する落下傘付き計測器(ラジオゾンデ)が原爆と同時に投下され、国の指定する被爆地域外の旧戸石村、旧田結村と江ノ浦村(現諫早市)に落下していると指摘。「放射能は帯びていなかったというのか」とただしました。福岡資麿厚生労働相は、原爆由来の降下物は認めたものの「残留放射能による健康への影響が生じるといえない」と否定しました。

 仁比氏は、戸石村の手前に位置する矢上村間野瀬地区や古賀村の被爆者らの「落ちてきた燃えカスをつかんだ手がススで黒くなった」などの証言を紹介。「肝臓の悪化や歯茎の出血、皮膚がんなどを患い、放射性物質が混入した水を飲んだり野菜を食べた内部被ばくは明らかだが、被爆者健康手帳(原爆手帳)は交付されない」と強調しました。

 広島「黒い雨」訴訟の2021年7月の広島高裁判決をふまえ、22年4月の新たな被爆者援護法の基準により、24年度末までに新たに7435人が原爆手帳の交付を受けています。一方、長崎の被爆者には適用されません。

 仁比氏は同判決が「原爆放射能により健康被害が生じることを否定できないから援護しなければならないとしているが、長崎は同じような放射性降下物による被ばくが原爆被爆者と扱われていない」として、被爆者援護法に基づいた援護策を施すよう求めました。