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2025年5月6日(火)

ガザ 臓器欠損児が増加

医療救援協会理事長 ザクート医師に聞く

妊婦の環境劣悪

深刻な栄養不足 妊娠中の感染症

 パレスチナのガザ地区で臓器などが欠損している新生児が増加しています。3日、ガザ医療救援協会理事長のバサム・ザクート医師に電話取材で聞きました。(米沢博史)


 ガザ地区で臓器の欠損や形態異常の新生児が増えている要因は、いくつか考えられます。

 まず、妊婦の深刻な栄養不足です。果物、肉、タンパク質、野菜といった基本的な食品が手に入らず、多くの妊婦が貧血に悩まされ、妊娠中の合併症も増えています。

 また、テントや破壊された家屋での生活など住環境と衛生環境が悪化しています。冬になるとウイルスが流行し、夏には伝染病の発生リスクが高まるため、妊娠中に感染症にかかるケースも少なくありません。出生後28日以内の乳児の病気の発症率も高まっており、乳児死亡率も倍増しています。妊娠中に必要な薬が手に入らないことや、精神的なストレスも母体と胎児に悪影響を与えています。

 先天性異常の原因として、イスラエルが使用する兵器との直接的な関係を証明することは容易ではありません。ただ、砲撃や爆撃によって引き起こされる環境汚染や使用される兵器の種類が胎児に悪影響を与えている可能性は否定できません。実際、日常的にさまざまな兵器が使用され、大量の爆弾が投下されています。

 しかし、ガザ地区には、これらの有害物質が及ぼす影響を調査する余力も能力もありません。医療現場は常に緊急対応に追われており、科学的な検証に取り組む時間や資源がまったく足りていないのです。

 この状況が私たちに突きつけるメッセージは明白です。まず、イスラエルのガザへの侵攻と攻撃を即時に終結させることが必要です。同時に、検問所を開放し、物資の搬入を可能にしなければなりません。今のガザには、医薬品、ワクチン、衛生用品を含むあらゆる生活必需品が不足しています。

 神のおぼしめしによって、いずれ解決策が見つかることを願っています。そうなれば、医療分野は、国民が直面しているさまざまな疾患や課題に対処できるようになるでしょう。


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