2025年4月26日(土)
万博チェック
「盛りすぎ」だらけ
![]() (写真)隣でキッチンカーが営業を続ける爆発濃度が検知されたマンホール(右)=13日、大阪市・夢洲の万博会場内 |
「メタン濃度の公表がないのが不安」「何を水増ししてるんだ」。大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会にSNSなどで疑念と批判の声が噴出しています。発表や説明と実態がかけ離れているからです。
象徴的なのが、メタンガスの問題です。協会は昨年6月、「会期中は濃度の測定結果を毎日お知らせすることを検討する」と発表しました。しかし、実際には4月13日の開幕後も数値の公表は一切なく、ただ「安全」と繰り返すのみ。21日になって、爆発濃度が検知された6日以外でも今月「基準値を超えたケースがあった」(髙科淳副事務総長)と明かしています。
加えて問題なのが、開幕前の前売り券の販売実績です。実際に売れた「約969万枚」に加え、まだ売れていない教育旅行などの見込み数「230万枚程度」を合わせて報告し、「加えれば1200万枚」と説明。販売実績が前売り目標の1400万枚に遠く及ばない現状を覆い隠すような説明に「盛りすぎだ」との声が上がっています。
万博の来場者数にも疑問が―。協会はメディア関係者や協会職員など関係者入場証で入場した人も含めて来場者数として発表。1割以上の大幅かさ上げに「水増し」批判が起きています。協会は前回のドバイ万博でも同様の数え方だと釈明しますが、2005年の愛知万博では「チケット入場者数だけの数字だった」(髙科氏)と認めています。
ガス問題をはじめ国民は当然の不安や疑念を抱いており税金を使う国際イベントである以上、真摯(しんし)な説明と情報公開が求められます。