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2025年4月23日(水)

民間提供資料 国が排除

日本軍「慰安婦」 紙氏追及に認める

参院決算委

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(写真)質問する紙智子議員=21日、参院決算委

 戦前に女性を性奴隷状態にした「慰安所」の設置や管理、女性の移送で日本軍の関与と強制を認めた「河野洋平官房長官談話」(1993年)に反して、政府が96年以降、民間研究者が発見した関連資料を受け取り拒否・排除していたことが21日、わかりました。同日の参院決算委員会で、日本共産党の紙智子議員の質問に内閣官房が答弁しました。

 河野談話は「政府としても、今後とも民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい」としています。しかし内閣官房は2014年、民間研究団体が提供した公文書を含むファイル3冊分の関連資料を、数カ月後に破棄する旨を通知していました。紙氏がただしたことに対し、内閣官房の清野晃平内閣参事官は、96年に当時の平林博・内閣官房内閣外政審議室長が省庁と国会図書館に関連資料の報告と提出を依頼した通知(「平林通知」)を挙げて、「民間研究機関からの資料は受け取らないことにしている」と答弁しました。

 一方、紙氏は、同ファイル資料には、後に国立公文書館が内閣官房に提出した資料があったにもかかわらず、平林通知を優先し、河野談話をほごにしていると指摘。「民間研究を排除するのか」と迫りました。林芳正官房長官は「各省庁が適切に判断している」と述べて内閣官房の判断を追認しました。

 紙氏は同資料には、「3度妊娠させられ流産し、その間も毎晩5、6人の男性の相手を強制された」など一生を踏みにじられた女性たちの悲痛な証言があると指摘。こうした戦時性暴力に対して「戦争犯罪および人道に対する罪に時効はない」として国連女性差別撤廃委員会が昨年、日本政府に被害者への謝罪や賠償、市民への教育を勧告していると述べ、「戦時性暴力と認め、河野談話を後退させずに民間資料を含めた調査を続けるべき」だと強く求めました。


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