2025年4月23日(水)
休憩なき勤務は人格権侵害
ジェットスターCA訴訟 差し止め命じる
東京地裁
![]() (写真)会見するジェットスターの客室乗務員と弁護団=22日、東京都千代田区 |
格安航空会社(LCC)ジェットスター・ジャパン(千葉県成田市)の客室乗務員(CA)35人が、休憩に相当する時間の取れない勤務の改善を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁でありました。高瀬保守裁判長は、休憩時間のない勤務は人格権侵害だと指摘し、同社側に休憩のない勤務を禁じ、賠償を命じました。
CAの例外的な休憩時間規定に対する初の司法判断であり、金銭支払いにとどまらず、休憩なき勤務を差し止めたのは画期的です。
CAの休憩は、待機場所の制約などで、労働基準法34条どおりの取得が難しいため、労基法施行規則32条で、折り返し待ち合わせ時間などが「休憩時間に相当するとき」は休憩時間を与えなくてよいとされています。
しかし、ジェットスターのCAは、短い便間時間に乗客の降機サポート、機内清掃、セキュリティーチェックなどで休めませんでした。労働組合「ジェットスタークルーアソシエーション」(JCA)が勤務改善を求めましたが、会社は「LCCのビジネスモデル」だと応じないため、2022年7月に提訴しました。
判決は、多くの勤務パターンで休憩に相当する時間が必要な時間数に達していないと認定。会社側は、フライト中にも何もしない時間があると主張しましたが、判決は、「客室の安全の確保に関する業務を行うことが責務」とし、「精神的肉体的に緊張度が低いといえない」として休憩相当への該当を否定しました。
会見でJCAの木本薫子委員長は、「私たちに寄り添った判決だ」と指摘。片桐麻記副委員長は、「保安要員として100%の力を発揮できる働き方が必要だ」と強調しました。